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第31回日本緑内障学会 緑内障発症のメカニズムに迫る

第31回日本緑内障学会 緑内障発症のメカニズムに迫る

 2020年10月2日から4日まで〝緑内障発症のメカニズムに迫る〟をテーマに第31回日本緑内障学会が大分市で開催される。新型コロナウイルス感染拡大に伴いリスク回避のため実施する開催方法の変更点およびプログラムの特徴などを、学会長である大分大学医学部眼科学講座の久保田敏昭教授に聞いた。

ウェブ開催、オンデマンド配信実施

 コロナ禍のリスク回避として、リモート参加の現地開催と、その後に動画を配信するウェブ開催の〝2段階開催方式〟とすることに決めました。現地開催は、ホテル日航大分オアシスタワーに六つのブースを開設し、講演や教育セミナー、シンポジウムなどの各セッションを行います。

 第1会場での記念講演や招待公演、特別講演などは、ウェブ会議システム「Zoom」によるライブ配信を行い、会場外の参加者もリモートでの参加を可能にします。ウェブ開催は、各会場で行われるセッションをすべて収録し、11月初旬から中旬まで動画をオンデマンド配信。期間中、参加者はいつでも繰り返し視聴可能です。

プログラムの目玉の一つ〝エピゲノム〟

 今回はオリンピックイヤーであり、名称も「おんせん県Oita Glalymic 2020」としました。告知ポスターは秋の九重町の「九重〝夢〟大吊橋」と、別府温泉の地獄の中で最大の「海地獄」を採用しましたが、東京五輪は延期となり残念です。

 しかし、プログラムは充実しています。まず〝日本緑内障の父〟と呼ばれる故須田経宇熊本大学名誉教授の業績を記念した「須田記念講演」は、近畿大学医学部眼科の松本長太教授が視野の臨床と研究に関する成果を発表します。

 特別講演は、エピゲノム研究の第一人者である九州大学生体防御医学研究所エピゲノム制御分野の佐々木裕之教授が、ヒトの病気の解明の鍵を握ると言われるエピゲノムと病気の関連を、分子生物学の成果を踏まえてお話しされます。エピゲノムは、遺伝子の塩基配列を変えることなく遺伝子の働きを決める仕組み「エピジェネティクス」の〝情報集積地〟という意味で、この異常が緑内障を含めさまざまな病気の発症と深く関わっていると言われます。

 招待講演は、ドイツのエアランゲン・ニュルンベルク大学のシュレッツァー・シュレハルト教授が、緑内障の原因の一つ〝落屑(らくせつ)症候群〟の研究成果を発表します。落屑症候群は九州で多く見られる疾患でもあり、若い眼科医は特に聞き逃せない内容だと思います。

医師は病める人のもの

 当学会は1970年、故須田先生を中心に設立された日本緑内障研究会が前身。1989年、日本緑内障学会を設立した翌年から学会を毎年開催しています。各国の緑内障学会を包括した国際緑内障連盟も結成され、当学会も設立メンバーとして参加しています。

 日本の近代西洋医学は江戸末期、長崎奉行所内に設けられた〝医学伝習所〟に招聘(しょうへい)されたオランダ軍医ポンペを近代西洋医学教育の父とし、海外の研究者との交流を発展の原動力の一つとしてきました。眼科も例外ではなく各国研究者との交流を重視しています。

 私は学生や研修医に機会あるごとに伝えることがあります。それはポンペの〝ひとたび医師という職業を選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである〟という言葉。この言葉を今後もかみしめながら、医師という職業を全うしたいと思っています。その意味からも、この学会を、ぜひ実りあるものにしたいですね。

学術集会の主なプログラム(予定)

●特別講演 「ヒトエピゲノム研究の現状と医学応用」
10月3日(土)午前10時40分〜同11時30分 佐々木 裕之氏(九州大学生体防御医学研究所)

●須田記念講演 「緑内障と視野」
10月4日(日)午前9時〜同9時50分 松本 長太氏(近畿大学)

会期:ライブ配信 10月2日(金)~4日(日) オンデマンド配信 11月5日(木)~18日(水)
運営事務局:コングレ九州支社 メール:jgs2020@congre.co.jp
学会HP:https://www.congre.co.jp/jgs2020/

※情報は9月10日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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