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第28回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会 道を究める

第28回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会 道を究める

 7月3日(水)~5日(金)、佐賀市で「第28回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会」が開催される。九州での開催は、2005年の第14回以来の2回目。佐賀市では初めての実施となる。会長を務める佐賀大学医学部泌尿器科学講座教授の野口満氏に、3日間の見どころなどを聞いた。

知恵を集めて「究める糧」に

 日本小児泌尿器科学会は、、小児科、小児外科が中心となり、さまざまな専門領域の協働によってさらなる発展を目指しています。

 どのような世界にも共通することだと思いますが、発展を支えるのは「その道を究めたい」という熱意でしょう。そこで、今回のテーマを「道を究める」としました。小児泌尿器科領域の診療や研究に関わる、各分野の第一線で活躍されている方々から学ばせていただく。そして「先人の叡智」を、究めるための糧とする。

 そのような思いから設定しました。ポスターもテーマに合わせたコンセプトで作製しました。佐賀に縁があり、芸術などの「道を究めている」方の協力を得て完成させたものです。

講演のキーワードは「脳」と「AI」

 まず、エキスパートの方々が登壇する二つの招請講演。「小児における下部尿路機能の発達と障害」では、米ピッツバーグ大学泌尿器科の吉村直樹先生が講演。座長を東海大学医学部付属大磯病院泌尿器科の宮北英司先生が務められます。

 脳機能の発達と膀胱機能の発達には、密接な関連があることが知られています。近年の研究成果により、そのメカニズムのさらに深い部分が明らかになりました。非常に興味深いお話が聞けると思います。

 「患者顔貌による先天性形態異常症候群の診断補助システム」の演題でお話しいただくのは、長崎大学原爆後障害医療研究所人類遺伝学の三嶋博之先生です(座長:関西医科大学小児科・金子一成氏)。AIを活用した新たな医療技術が次々と生まれています。三嶋先生の講演では、AIを取り入れて進められている「患者の顔写真の情報に基づく診断技術」の「いま」を知ることができます。

 また、シンポジウムの一つに「究めるための小児泌尿器科の基礎研究」を組み込みました。基礎研究の最新の動きに触れることができるプログラムを用意したことも、今回の特徴に数えられると思います。

乳幼児からAYA世代まで

 小児泌尿器科領域の疾患に関心がある方に、ぜひお越しいただきたいと思っています。およそ150のプログラムは、特にファーストタッチの役割を担っている小児科の先生方に、きっと役立てていただけるのではないかと思います。

 この「小児泌尿器科」という名称から、対象は「子どもだけに限られる」というイメージが強いかもしれませんが、長期的な視点をもつことも重要です。なぜなら疾患がある子どもたちは成長し、いずれ成人するからです。

 そうした視点を踏まえて、乳幼児期からAYA世代と呼ばれる30歳前後までを見すえた対応のことなども発信します。若手の先生方にも、多くの参加を期待しています。「やはり小児泌尿器科は大切な領域だ」といった認識を高め、「とても興味深い分野」であることを伝えることができる3日間にしたいと思っています。

 教育セミナーをはじめ、実践的な内容のプログラムなども用意しています。毎回、日本小児泌尿器科学会総会・学術集会では、興味深い内容が取り上げられます。新しい診断や医療技術の開発が進む中、今回も、多様な知識を提供できるのではないかと思っています。みなさんがこれらの情報を吸収し、その結果、より良い医療につながっていくことを願っています。

 佐賀での開催は初めてですから、この機会に、県内の観光名所や文化なども楽しんでもらえたらうれしいですね。

学術集会の主なプログラム

●小児における下部尿路機能の発達と障害(招請講演)
7月4日(木)午前10時35分~同11時25分
吉村 直樹氏[米ピッツバーグ大学泌尿器科]
●患者顔貌による先天性形態異常症候群の診断補助システム(招請講演)
7月5日(金)午前11時25分~午後0時15分
三嶋 博之氏[長崎大学原爆後障害医療研究所人類遺伝学]
●究めるための小児泌尿器科の基礎研究(シンポジウム)
7月4日(木)午前11時25分~午後0時15分
西尾 英紀氏[名古屋市立大学小児泌尿器科]
浅沼 宏氏[慶應義塾大学泌尿器科]
辻 章志氏[関西医科大学小児科]
岡和田 学氏[順天堂大学小児外科]

会期:7月3日(水)~5日(金)
会場:ホテルニューオータニ佐賀
運営事務局:株式会社PLANNING FOREST
☎06-6630-9002
学会HP:
http://jspu28.jp/

佐賀大学医学部泌尿器科学講座 教授
会長 野口 満 氏(のぐち・みつる)

1987年長崎大学医学部卒業、同泌尿器科学教室入局。佐世保共済病院泌尿器科、長崎市立病院成人病センター、米ミシガン州立大学在外研究員などを経て、2015年から現職。

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