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第23回日本臨床脳神経外科学会 脳神経外科臨床の光と影

第23回日本臨床脳神経外科学会 脳神経外科臨床の光と影

 23回目となる日本臨床脳神経外科学会。医師だけでなく研究者やメディカルスタッフなど、幅広い演者による講演や発表などが行われる。学会長で、医療法人社団篠原会甲府脳神経外科病院理事長の篠原豊明氏に、学会の見どころなどを聞いた。

医療過誤への対応を考える

学会長  氏 (医療法人社団篠原会
甲府脳神経外科病院
理事長)

 今回のテーマは「脳神経外科臨床の光と影」。シンポジウムは医療安全に重点を置き、テーマを第1部「医療安全対策総論」、第2部「多職種(現場)で考える医療安全」としました。

 第1部の演者は、山梨大学医学部附属病院医療の質・安全管理部特任教授の荒神裕之氏と法社会学者で早稲田大学法学学術院教授の和田仁孝氏、医師で浜松医科大学地域家庭医療学講座特任教授の井上真智子氏です。医療過誤事例を、患者さん側と医療従事者側、両サイドから検証し、課題について考えていきます。

 医療過誤という問題は、医療を提供している以上、起こる可能性があります。まず初めに重要となるのは、医療過誤が起こってしまった場合の患者さんやそのご家族への対応、さらに言えば医師や医療機関のあり方ではないでしょうか。ファーストアクションとして、まずどう行動すべきか。具体的な手法もお話しいただきます。

 次に大切なのは、医療過誤を起こしてしまった医療機関が、現在受診している、または今後受診するであろうと予測される患者さんに、どんな対応をしていくべきなのか。さらには、医療過誤の再発を防ぐために、どのように病院運営をしていくべきなのかといったことも重要です。

 「ファーストアクション」「今後の対応」「再発防止」。第1部では、この三つの柱について、多方面から考えてみたいと思います。

 もちろん、医療過誤を未然に防ぐ施策も大切です。そこで、第2部では、健康科学大学看護学部看護学科准教授の小林美雪氏、相澤病院薬剤師の荻無里千史氏、白浜はまゆう病院理学療法士の坂本健一氏を演者に、看護師、薬剤師、理学療法士がそれぞれの現場でどのように医療安全を実践しているのか、知見を共有したいと思っています。

「緩急」も特徴の一つ

 脳神経外科学に関する研究や新しい治療法などの発表も予定しています。例えば、ふるえに対する新しい治療に「FUS(集束超音波治療)」があります。脳の神経活動が異常な部分に超音波を集中照射することでふるえを抑える方法で、開頭手術をしなくても治療効果が見込めます。今回は導入医療機関に、事例を交えて紹介していただく計画です。

 また、メディカルスタッフによる症例発表や、治療体制などを発表する場も設けています。発表者にどの職種にもわかりやすい用語の利用を促していること、学会で得た知識や情報が来ていただいた方々の役に立つよう、きわめて実用的な話に終始しているのも特徴ですね。

 特別講演の演者は、2015年ノーベル生理学・医学賞受賞者で北里大学特別栄誉教授の大村智氏。文化講演は、言語学者で杏林大学外国語学部教授・山梨県立図書館館長の金田一秀穂氏、山梨県リニア交通局長の三井孝夫氏による講演を予定しています。

 高度で専門的な議論がある一方、リラックスして楽しんでいただく部分もある。「緩急」のある本学会の良さを体感してもらいたいと考えています。

 「脳」という器官は、社会に起こる課題と深く結びついています。脳の認知機能の低下によって引き起こされる「高齢者による運転ミス」もその一つです。

脳の機能をもっと身近に感じていただけるよう、多くの方に参加をお願いしたいと思っていますし、この学会をスタッフ育成などに活用いただけたらと願っています。
 

学会の主なプログラム(予定)

●特別講演 演者:大村 智氏(北里大学特別栄誉教授:2015年ノーベル生理学・医学賞受賞)

●シンポジウム 「脳神経外科臨床の光と影」
第1部「医療安全対策総論」
演者:荒神 裕之氏(山梨大学医学部附属病院医療の質・安全管理部特任教授)、和田 仁孝氏(早稲田大学法学学術院教授)、井上 真智子氏(浜松医科大学地域家庭医療学講座特任教授)

第2部「多職種(現場)で考える医療安全」 演者:小林 美雪氏(健康科学大学看護学部看護学科准教授)、荻無里 千史氏(相澤病院薬剤師)、坂本 健一氏(白浜はまゆう病院理学療法士)

会期:9月20日(日)・21日(月・祝) 
会場:甲府記念日ホテル
運営事務局:JTBコミュニケーションデザイン 23jansc@jtbcom.co.jp 
学会HP: https://convention.jtbcom.co.jp/23jansc/

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