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福岡大学医学部 腎臓・膠原病内科学講座 予防から終末期まで 腎臓病診療の底上げ図る

福岡大学医学部  腎臓・膠原病内科学講座 予防から終末期まで  腎臓病診療の底上げ図る

升谷 耕介 主任教授(ますたに・こうすけ)
1994年九州大学医学部卒業。
米ピッツバーグ大学医療センター病理学研究員、九州大学病院腎疾患治療部講師、
福岡大学病院血液浄化療法センター診療教授などを経て、2020年から現職。

 福岡大学医学部腎臓・膠原(こうげん)病内科学講座は、同大学病院で腎臓内科・膠原病内科の診療を担当。主任教授の升谷耕介氏は、診療・研究・教育のそれぞれに明確なビジョンを持ち、医療連携にも力を入れる。

―診療面での特徴を教えてください。

 腎臓内科では、急性腎障害、慢性腎臓病、腎炎、ネフローゼ症候群など、幅広い疾患に対して早期診断、早期治療に努めています。末期腎不全の患者さんには透析療法を行っており、院内の血液浄化療法センターで血液透析、腹膜透析を実施。加えて、最近では在宅血液透析も開始しました。

 また、腎移植への関わりも強化しています。当院の場合、移植手術は腎泌尿器外科が担当。腎臓内科は、ドナーとレシピエントの術前検査と適応評価、必要に応じて移植前の脱感作療法、移植後の拒絶反応や感染症への対応などを担っています。

 膠原病内科も患者数が多く、毎日、外来診療を行っています。膠原病治療は日々進歩しており、例えば、関節リウマチには各種バイオ製剤を用いることで寛解を目指すことができる状況です。私たちは、新たな医療、高度な医療を患者さんに提供できるよう、アップデートを重ねています。

―研究にも精力的に取り組まれています。

 2016年から長崎県壱岐市の県壱岐病院に腎臓内科の常勤医師を派遣しています。

 現地で診療体制を構築しながら、本学の衛生・公衆衛生学と共同で疫学研究(ISSA―CKD研究)を実施。壱岐市の特定健診データを用いて一般住民における慢性腎臓病のリスク因子の抽出、ハイリスク者への保健指導などを進めています。

 2019年には、壱岐市・壱岐医師会と本学の間で連携協定を結びました。慢性腎臓病の予防促進、研究活動の充実・向上を目指した連携で、同市での研究は、われわれの講座において柱の一つとなっています。

 その他、主に病棟の患者さんを対象として、皮膚の最終糖化生成物(AGEs)測定、かん流圧測定(SPP)などを行い、腎臓病に伴う各疾患の発病や進行への影響を研究しています。これらの臨床的研究を、今後推進したいと思います。

―地域の医療機関との連携にも力を入れていますね。

 人工透析を受けている患者さんは高齢者が多く、透析導入後にリハビリが必要になる場合もあります。そのため、地域のリハビリ施設とネットワークを構築。現在、関連病院も含めて五つの施設と連携し、透析患者さんが自宅で生活するのに必要な筋力強化ができるように体制を整えています。

 また、開業医の先生方から慢性腎臓病の患者さんを早期に紹介していただくため、セミナーを通じた啓発活動を積極的に行っています。早いタイミングで患者さんを紹介いただくことで、病状の悪化を抑えられる場合もあるからです。

 とはいえ、全ての腎臓病患者を大学病院で治療するわけではありません。軽症かつ進行速度の遅い患者さんはできるだけ早く紹介元にお戻しし、「この状態になったら、再度大学病院へ」といった基準を共有することで、患者さんの紹介・逆紹介をスムーズに進めています。

―今後の目標は。

 現在の教室には若いメンバーが多いので、時間はかかりますが、中堅クラスの層を厚くしたいと思います。10年先を見据えて人材教育に力を入れ、診療・教育・研究の全てにおいてレベルアップしていくことが一番の目標です。

 腎臓内科は専門性が高く、膠原病内科は総合診療医的な視野が必要であるなど、それぞれに特徴があります。知識と技術と人格を磨き、どの病院でも十分通用する、全ての患者や医療スタッフから信頼される医師を育てていきたいと思います。

福岡大学医学部腎臓・膠原病内科学講座
福岡市城南区七隈7―45―1 ☎︎092―801―1011(代表)
http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/interna4/

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