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社会医療法人孝仁会 創立30周年

社会医療法人孝仁会  創立30周年

広域分散型地域の道東で住民ニーズ満たす医療を

 釧路市の「釧路孝仁会記念病院」を中心に中標津町、羅臼町、留萌市、札幌市などで12の病院・診療所、32の介護事業所、1カ所の看護学校を展開する孝仁会が30周年の節目を迎えた。脳神経外科を専門とする齋藤孝次理事長に、これまでの歩みを振り返ってもらった。

―孝仁会スタートの経緯を。

 1970年代初頭、札幌に初めての脳神経外科病院がオープン。これを機に道内各地で専門病院の開業が相次ぎました。しかし、いずれも旭川や函館などばかりで、道東地域は釧路にさえ専門病院はありませんでした。

 釧路は当時、脳神経外科を設置する病院は二つのみ、ベッド数も合わせて80床ほどしかなく常に満床状態。しかも、専門外の医師が対応せざるを得ない深刻な状況に置かれていました。

 私は札幌近隣の医療機関で院長を務めていましたが、専門である脳神経外科医療を切実に求める道東住民の願いに真正面から応えることを決断し、医療機関を辞して1989年、釧路に120床の個人病院「釧路脳神経外科病院」を開設しました。これが孝仁会のスタートです。

―釧路以外の地域対応は。

 北海道の面積の4割を占め、人口は2割に満たない道東は典型的な広域分散型地域。距離や時間を超える新しい診療方法として1993年から開始したのが遠隔地画像伝送システムです。

 開院当初から積極的に行ってきたコンピューター断層撮影(CT)による診断の経験とノウハウを生かし、根釧エリア(根室・釧路管内)でCTを導入する医療機関をネットワーク化。24時間いつでも当院に画像が送られ、短時間で診断結果を出し、それに基づく治療方針や助言を担当医師へ返送する、ドクター・ツー・ドクターのシステムです。

 現在では遠隔医療の一つですが、1990年代前半の日本ではほとんど登場しておらず、早期に構築された遠隔医療システムと評価をいただいています。このほか、1996年開設の星が浦病院の免震構造設計、フィルムレス院内ネットワークの実施なども、先進的な取り組みでした。

―釧路孝仁会記念病院は2007年開院ですね。

理事長

 高度急性期医療の提供を目的に、釧路脳神経外科病院、星が浦病院、新くしろ病院のグループ3病院を集約。道内唯一となるCTを備える手術室など先進の設備を整えた孝仁会の基幹病院です。

 敷地内にはドクターヘリの地上へリポート、格納庫、給油施設を設置。市立釧路総合病院を基地病院に、当院が基幹連携病院となって2009年から道東ドクターヘリの運航を実施、救急医療の向上と充実に大きく寄与しています。同年、孝仁会は救急医療事業への貢献が評価され、社会医療法人として認定されました。

―今後の方向性は。

 現在、福祉事業やへき地医療にも取り組むほか、札幌では最新の医療機器をそろえた北海道大野記念病院を中心に、最先端医療を提供しています。大都市での病院開設は、質の高い医療従事者を確保し、病院経営が厳しさを増す道東地域へ人材を投入する体制の確立を整えるためのものです。

 札幌といえどもまだ十分とは言えない最先端医療の提供を通じて、市民および道民の健康や幸せに寄与することを目指しています。今後も道東および北海道全体を視野に入れた医療への貢献とともに、住民から愛される施設づくりにまい進します。


北海道釧路市愛国191ー212
☎0154―39―1222(釧路孝仁会記念病院)
http://www.kojinkai.or.jp/

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