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磨き続ける強み地域で増す存在感

磨き続ける強み地域で増す存在感


院長(さいとう・たけふみ)

1981年筑波大学医学専門学群卒業、1987年同大学院博士課程医学研究科修了。
1988年国立療養所晴嵐荘病院(現:国立病院機構茨城東病院)入職、
米ニュー・ジャージー医科大学留学などを経て、2013年から現職。

 呼吸器疾患と重症心身障害児(者)に対する医療を柱とする国立病院機構茨城東病院。この2本柱を打ち出すため、2015年からは「胸部疾患・療育医療センター」という名称を病院名に併記している。きらりと光る病院として発展を続けるため、齋藤武文院長が取り組んできたこととは。

―地域での位置付けを。

 がん、COPD、間質性肺炎のほか、肺高血圧症などの肺循環、睡眠呼吸障害、結核の診療も担っています。結核病床は陰圧ユニットで20床。救急は呼吸器疾患に特化。2019年は、年間約550台の救急車を受け入れました。

 重症心身障害児(者)医療については、120床のベッドがほぼ満床。空いている病床はレスパイトを含めた短期入院に活用しています。行政の依頼で、医療従事者や医療的ケア児の支援者を対象とした研修をそれぞれ開催するなど、頼りにされているという実感があります。

 当院はもともと、結核によって兵役を免除された人のためにつくられた施設です。国立結核療養所を経て国立療養所となり、現在に至ります。

 私がここに勤務し始めたのは1988年。結核病床が200床ほどあった時代でした。その頃からこの病院を見てきたので、ここが呼吸器疾患診療を得意とする病院だということは、地域の多くの人に知られていると思い込んでいました。しかし、実際は若い年代の方や他の地域から移ってきた人にとっては、分かりにくかったようです。そこで、就任3年目に「胸部疾患・療育医療センター」の名称を前面に打ち出すに至りました。

 現在、毎月1回、地域の大型ショッピングセンターにブースを出して、看護師などが病院のPRをしています。禁煙外来を実施していることをお知らせしたり、肺がんに関する情報をお伝えしたり。白衣体験なども実施し、呼吸器関連で気になる症状が出た時に、思い出し、頼っていただける病院を目指しています。

 また、地域の開業医の先生方との連携も大事にしています。地域医療支援病院として、不定期で実施していた訪問活動を月1回の頻度に定例化。年に1回は、紹介いただいた患者さんの報告やお礼を兼ねた「連携大会」を開催し、2019年は過去最高の約130人に参加いただきました。

 院内感染対策では、日立製作所日立総合病院(日立市、651床)、アイビークリニック(ひたちなか市、55床)と連携し、相互チェック、合同カンファレンスを実施。自分たちの組織では当たり前、問題ないと思っていたことも、違った視点で見ると改善の余地がある場合もある。連携することで、院内感染対策がさらに進んだと感じています。

―今後の目標は。

 まず、肺がんの手術件数を現状の1・5倍に増やすこと。さらには、間質性肺炎など難治の呼吸器疾患の診断・治療の面で、存在感を示し、貢献してきたいと思っています。

 そのためにも、今まで以上に若手医師の育成を充実させたい。茨城県内で呼吸器内科を目指す若い医師たちに、学ぶ機会をしっかりと提供していきたいと思っています。もともと茨城県は人口当たりの医師数が少なく、ここ東海村はその中でも都市部と比べて医師の採用の面でハンディがある。だからこそ、これまでも人材育成に力を注いできました。

 外部のエキスパートをお招きして症例検討、画像診断などを学ぶ「医師向け教育指導回診」が特に好評で、毎回、多くの医師が自己研鑽(けんさん)のために参加しています。

 現在、新病棟建設計画を進めており、2022年4月には稼働を予定しています。教育システムなどのソフト面、建物などのハード面、どちらを見ても若い人にとって魅力ある施設をつくっていきたいと思います。

独立行政法人国立病院機構 茨城東病院
茨城県那珂郡東海村照沼825
☎029─282─1151(代表)
https://ibarakihigashi.hosp.go.jp/

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