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研究マインドを持つ医師を育てたい

研究マインドを持つ医師を育てたい

福井大学学術研究院医学系部門医学領域 整形外科学分野
教授(まつみね・あきひこ)

1986年福井医科大学(現:福井大学)医学部卒業。
国立大阪病院(現:国立病院機構大阪医療センター)、三重大学医学部整形外科准教授、
同附属病院病院教授などを経て、2016年から現職。

 福井県における整形外科の高度医療を担い、研究面でも多くの実績を挙げている福井大学医学部整形外科学教室。松峯昭彦教授は、後進の育成と同時に、県内企業との新たな研究開発に取り組もうとしている。

―臨床面での特徴は。

 福井県で唯一の大学病院として、整形外科領域のあらゆる疾患に対応し、高度な医療の提供も行っています。骨・軟部腫瘍や脊椎疾患の難治症例を数多く治療しており、人工関節手術や関節リウマチ、骨粗しょう症などにも広く対応。県民の皆さんの期待や要望に応えるため、治療が難しい患者さんを積極的に受け入れています。

 また、大学病院としては珍しく、救急外傷に力を入れているのも特徴の一つです。当院には北米型の救命救急センターがあり、比較的軽症な患者さんは救急医が対応しますが、重症な場合は整形外科医が治療に当たることで、すべての救急患者さんをフォローしています。

―研究面の強みは。

 椎間板疾患や後縦靱帯(じんたい)骨化症など、脊椎を中心とする神経症状の基礎研究・臨床研究を継続的に行っています。これらは非常にハイレベルなもので、学会の賞なども数多く受賞してきました。おそらく、今後の研究もかなり注目されますので、引き続き注力したいと考えています。

 加えて、私の専門である骨・軟部腫瘍の研究にも積極的に取り組んでおり、患者さんの治療と共に症例のサンプルを収集・分析しています。福井県で骨・軟部腫瘍を扱う施設はなく、県内の症例のほとんどが集まりますが、腫瘍そのものの発生頻度は低めです。そのため、国内約80の施設と連携して症例情報を収集し、共同研究を進めています。また、工学部や県内企業とタイアップして、関節疾患に対する新しい医療機器の開発に取り組んでいます。大型の競争的開発資金も獲得できたので、今後の展開が楽しみです。

―後進の育成について。

 私は2017年から大学病院の臨床教育研修センター副センター長を務めています。その視点で考えると、まずは福井県に残る医師を増やしたい。現在、医学部には全国から学生が集まり、毎年110人程度の卒業生がいます。そのうち、福井に残るのは約30人で、その他はそれぞれの地元や都会に行ってしまうのが実情です。この状況を少しずつ変えて、とにかく福井で医師人生をスタートする学生を増やしたいですね。そうすれば、今まで以上に地域の病院を支援でき、病院間での人的交流も活性化して、より地域医療が充実すると思います。

 私個人の理想としては、研究マインドを持った医師を育てたい。目の前の患者さんにしっかり寄り添い、診療に当たることは大前提です。その上で、臨床において疑問が生じた場合は自分で考え、自分で解決できるような医師になってほしいと願っています。医師の仕事はルーティンワークが多いのですが、患者さんの治療に苦慮することも多い。しかし、研究マインドを持っていれば楽しみながら、考えながら仕事ができ、やりがいも感じられると思います。

―今後の目標は。

 臨床・研究・教育を進めつつ、新たな研究開発に取り組みたいと思います。福井県は中小企業の数が非常に多く、医療業界の企業や今後参入したい企業が数多くあります。それらとタイアップし、共同で研究しながら、「福井発」の医療機器や薬などを開発したいですね。

 患者さんの診療や、論文を書くための研究も面白いですし、それぞれに魅力があります。しかし、研究開発したものや技術などが実際の臨床に生かされること、新しい何かを作り上げることには、大きな夢がある。医療を少しでも発展させる成果が残せるよう、頑張っていきたいと思います。

福井大学学術研究院医学系部門医学領域 整形外科学分野
福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23―3
☎0776―61―3111(代表)
https://fukui-university-orthopaedics.com/

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