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目標高く情熱を燃やして

目標高く情熱を燃やして


院長(ひろおか・やすあき)

1983年鳥取大学医学部卒業。米ピッツバーグ大学移植外科留学、
鳥取大学医学部保健学科病態検査学講座教授、同大学医学部長などを経て、
2020年から現職。

 鳥取大学医学部教授、同医学部長などを経て、鳥取県立中央病院病院長に。直属の「タスクフォース」を設置し、スピード感を持って課題解決に取り組む。

さまざまな変化 構想も続く

 掲げたミッションは、緊急対応を迫られていた「コロナ対策」を除き三つ。「高度急性期医療の充実と人材育成」「働きやすさナンバーワン病院を目指す」「ブランドイメージの向上」だ。

 「高度急性期医療の充実では、まず、がん医療の強化に取り組んでいます」。がんセンターを設置し、がん遺伝子パネル検査を岡山大学と連携して開始するなど、ゲノム医療にも力を入れる。

 救急の充実も図った。4月以降、ドクターヘリで30分圏内にある公立豊岡病院から、日替わりで医師が来て、救急外来を担当。「当院の救急医は1人。20年近くこの地域の救急を守ってきてくれました。豊岡病院の若い医師たちの力も借りることで、救急医療の充実と質の向上を実感しています」 心臓病センター、脳卒中センターにおいても、心筋梗塞や脳梗塞など、他院へ送っていた患者の急性期治療を院内で完結できることが増えた。「県東部の高度急性期医療をしっかり担っていきたい。不妊治療・周産期母子医療の充実を図るとともに、放射線治療、血液内科の診療でも力を発揮できる体制を整えていきたいと思います」 

 働きやすさナンバーワン病院を目指して、設置したのは、「ハラスメント連絡会」。職員対象の表彰制度や、親の仕事する姿を子どもが見る「子ども参観日」も企画する。

 「ブランドイメージの向上」で重視するのは、「情報発信」。住民が病院を訪れ、手術支援ロボットの操作を体験する「院内ツアー」や院内での絵画展、演劇鑑賞などの構想が始まっている。

課題解決に七つのタスクフォース

 次々と形が見えつつある改革。推進の大きな力になっているのが、職員によって構成される「タスクフォース」の存在だ。タスクシフト案の提言と時間外削減策の実行が求められている「働き方改革推進タスクフォース」など、組織は全部で七つ。「地域連携推進」「危機管理」「業務改善」「働きやすさ改革(ワークライフバランス支援)」「広報戦略」「手術件数増加」のそれぞれに、細かい目標が設定されている。

 「私1人でビジョンの実現は困難。そのための戦略として、院長直属の七つのタスクフォースをつくりました。コロナで少しスピードは落ちているものの、着実に前に進んでいます」

情報発信と対話 フットワーク軽く

 4月の就任。政府が緊急事態宣言を出すかどうかが注目される、まさにコロナ感染拡大期だった。職員の不安や戸惑いをおもんぱかり、着任後すぐ、職員向けの動画を電子カルテ上にアップ。「院内感染対策をしっかり施しているので安心してほしい」「県立病院の職員として、自身の感染防止のための行動を」と呼びかけた。

 対面、非対面問わず職員とのコミュニケーションを心がけ、「この病院で何が行われているか、知らないと適切な方向性も出せないから」と院内のあちこちに顔を出す。「フットワークが軽いと言ってもらえたらいいけれど、反面、威厳が足りないかもしれません」

 胸に秘めるのは、二つの言葉。「高校生の頃に知った、島崎藤村の『情熱をして、静かに燃やしめよ、湿れる松明(たいまつ)のごとくに』は、座右の銘。もう一つは、私が医学部に入学した時に父が送ってくれた『青雲万里夢遥』。高い志と気概を持ってやりなさいという、意味でしょう」。目標高く、笑顔を絶やさず、職員とともに歩み続ける。

鳥取県立中央病院
鳥取市江津730 ☎️0857ー26ー2271(代表)
https://www.pref.tottori.lg.jp/chuoubyouin/

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