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皆が活きる 皆が伸びる病院に

皆が活きる 皆が伸びる病院に

地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
秀 道広 病院長(ひで・みちひろ)

1984年広島大学医学部卒業。
米NHLBI(国立心肺血液研究所)、英ロンドン大学、
広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学教授、同大学医学部長、
副学長、病院長補佐などを経て、2021年から現職。


広島大学出身者初の病院長となった秀道広氏。これまでに免疫アレルギーなどの研究で、数々の実績を残している。病院運営という新たな挑戦を迎えた今、どのような未来を描こうとしているのか。

偶然を必然にする力

 明確に医師の道を志したのは高校生の頃。小さな頃から自然やものづくりが好きで、理工系に進みたいと考えていた。しかし、「研究だけでなく、人や社会とのつながりを持ちたい」と、広島大学医学部へ進学する。

 卒業後は皮膚科医としてキャリアを重ね、これまでに自己免疫性じんましんやアトピー性皮膚炎のメカニズム解明、治療法の開発などで、数々の実績を上げてきた。

 「最近は、アトピー性皮膚炎を引き起こす『汗』の研究に注目しています。皮膚の表面に付着したカビの一種がタンパク質を分泌し、汗に溶け込み、体内に入ることでアレルギー反応を起こすことが分かりました」

 診療や研究を続ける中で、常に心掛けてきたことが二つある。まずは目の前の患者を大切にして、問題解決や新たな研究に生かすこと。もう一つは「偶然を必然にする力」だという。

 「偶然の出来事や、意図しないことが起こった場合、どう捉えるのか。ネガティブなものにするのか、かけがえのない必然的な出来事にするのかは、全て自分次第です。その点にはこだわってきました」

広島大学出身で 初の病院長に

 1952年の開院以来、広島市民病院の病院長は岡山大学出身者が歴任してきた。秀氏は広島大学出身者として初の就任となる。「当院は広島市民にとってなじみのある病院であり、私もここで産声を上げました。ただし、地元である広島大学とは、やや遠い存在だったことは事実です。私が病院長になったことは大学関係者にとって大きな意味があり、地域の期待も感じています」

 現在、病院運営に関してはいくつかの改善点を見いだしている。まずは、院内のコミュニケーションをさらに充実させることを掲げている。「IT技術などを駆使しながら、多くのメンバーが参加してディスカッションしたり、より多くの情報を共有できたりする仕組みが必要だと感じています。皆で知恵を出し合って、職員同士がもっと密に連携できる体制を構築したいと思っています」

 院外への取り組みでは、大学や地域の医療機関との関係性をさらに強化したいと語る。「広島大学の関係者はもちろんですが、これまで培ってきた岡山大学ともしっかりと協力しながら、今まで以上に多くの病院と連携を図りたいと思っています。意欲ある若い人材を確保し、地域医療に貢献するためにも、重要なテーマだと考えています」

職員の能力を伸ばし 研究活動も促進

 就任に際し、「皆が活(い)きる、皆が伸びる、皆が幸せになる」というスローガンを掲げた。「職員の意欲や能力を最大限に引き出すことで、それぞれが成長でき、その結果、院内の環境・医療資源も充実することで、全員が幸せになれると考えています。この好循環をつくることを理想としています」。自身を含め職員が一体となることで、より良い病院を目指せると語る。

 将来を見据えた具体的な目標も掲げている。「病院の統廃合が議論されつつある中で、どのような病院が残るのか。おそらく常に新しい医療を研究し、業績を上げる病院が生き残ると思います。当院では先を見据え、患者さんの協力を得ながら臨床研究・試験などを進めていくつもりです。独自の成果を出して、社会に広く発信できるよう取り組んでいきます」



地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
広島市中区基町7ー33 ☎082ー221ー2291(代表)
http://www.city-hosp.naka.hiroshima.jp/

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