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病院統合を実現して理想の地域医療へ

病院統合を実現して理想の地域医療へ

新潟県厚生農業協同組合連合会 小千谷総合病院
髙橋 達 病院長(たかはし・とおる)

1977年秋田大学医学部卒業。
米マウントサイナイ医科大学リサーチフェロー、新潟大学医学部臨床准教授、
新潟県厚生連魚沼病院病院長などを経て、2017年から現職。

 新潟県小千谷市にある小千谷総合病院は、設立主体が異なる二つの病院を統合して2017年に開院した。2010年に旧魚沼病院の病院長として赴任して以降、多くの難題を乗り越えて統合を実現させた髙橋達氏に、新病院の先進性、地域医療機関との連携、今後の展望などについて話を聞いた。

―病院統合の経緯について教えてください。

 統合以前、人口4万人弱の小千谷市には新潟県厚生連魚沼病院と、公益財団法人小千谷総合病院という二つの中小病院がありました。 両病院は良いライバルとして互いに切磋琢磨(せっさたくま)してきましたが、2004年度に開始された新医師臨床研修制度などの影響を受け、いずれも医師不足が深刻化。同時に施設老朽化の問題もあり、2005年に病院統合案が持ち上がったのです。

 しかし、実現までには多くの困難を伴いました。設立主体が異なる病院には、それぞれ独自の歴史や文化がありますし、職員の待遇なども違います。それでも小千谷市の強力なサポートを得ながら関係者の間で協議を重ね、最初の構想から12年を経て、2017年4月に300床の新病院が完成しました。

―統合後の新病院に対する印象はいかがですか。

 当初、両病院から集まった職員たちは業務手順の違いなどにとまどっていましたが、「医療」という共通の理念の下で融和が進んでいます。また、小千谷市だけでなく、周辺地域の患者さんにも身近な存在として認知されてきました。

 そして何より、地域における病床数のダウンサイジングや医師の集約など、今後を見据えた病院が無事完成したことは大きな意味を持っています。地域医療構想や病院の統合再編に関する議論が進む昨今、当院はそのモデルケースになり得るでしょう。行政の協力と医療従事者の熱意や努力があれば、設立主体が異なる病院同士でも統合は実現できる。将来を先取りした一例として、多くの関係者に知ってほしいですね。

―新病院の特徴は。

 当院は主に1次・2次医療を担っています。高度急性期医療が必要な患者さんには、近隣の長岡中央綜合病院、長岡赤十字病院、立川綜合病院を紹介。そこで治療を終えた患者さんなどに対して、当院ではリハビリをなどを含めた回復期医療も行っています。

 また、小千谷市と魚沼市の医師会から「在宅医療・介護連携支援センター」事業を委託されています。これは在宅医療体制のコーディネート、在宅医療の普及啓発を各医師会や介護施設と協働で行うものです。これらの地域医療連携によって、急性期・回復期・慢性期医療から在宅や介護施設への橋渡しまで、トータルに対応できることは当院の大きな特徴の一つです。

 院内の主な設備としては、ロビーに床暖房を設置し、冬場でも来院された人が寒くないように配慮。病棟では個室的多床室を採用して、廊下側のベッド横にも窓を設けています。患者さんからの評判も上々ですね。

―今後の病院運営について、展望をお聞かせください。

 現状、三つの目標を立てています。まずは一般病棟の会計について、出来高払いからDPC方式へ移行すること。これは今年の4月を予定しています。二つ目は医師の確保に向けて基幹型臨床研修指定病院を目指すこと。そして最後は、総合病院としての医療体制をさらに充実させることです。

 加えて、私個人としては今後の社会構造の変化に対応するため、高齢者医療をより重視したいと考えています。当院が地域の中心的な存在となり、これまで以上に地域の医療機関などと連携しながら、高齢者の皆さんが地元で生き生きと暮らせるような医療を提供していきたいですね。

新潟県厚生農業協同組合連合会 小千谷総合病院
新潟県小千谷市平沢新田111
☎0258―81―1600(代表)
https://www.ojiya-ghp.jp/

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