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病院統合に向けて 救命救急の拡充と 若手育成を

病院統合に向けて 救命救急の拡充と 若手育成を

社会医療法人 製鉄記念広畑病院
木下 芳一病院長(きのした・よしかず)

1980年神戸大学医学部卒業。
島根大学医学部内科学講座(内科学第二)教授、
同医学部学部長、同医学部附属病院副院長などを経て、
2017年地域医療連携推進法人はりま姫路総合医療センター整備推進機構理事長就任。2019年から製鉄記念広畑病院病院長を兼任。

県立病院と民間病院との統合という一大プロジェクトを主導しながらも、常にユーモアと笑顔を絶やさない木下芳一病院長。人を自然と前向きな気分にしてくれる。

「兵庫県立はりま姫路総合医療センター(仮)」が2022年開設

 長らく教授を務めていた島根大学から22年ぶりに帰郷。今年の4月、兵庫県立姫路循環器病センターとの統合計画が進む製鉄記念広畑病院病院長の職に就いた。「単身赴任です。これまで妻に頼りきりでしたので今、家事の勉強中。魚の煮付けは、ずいぶん上手になりました」と人懐っこい笑顔を見せる。

 2017年、島根大学医学部教授を務めつつ、地域医療連携推進法人はりま姫路総合医療センター整備推進機構理事長に就任。ここ数年は居住する出雲市と姫路・神戸を行き来しながら、各方面との調整を続けてきた。

 2022年に誕生するのは、736床の「県立はりま姫路総合医療センター(仮)」。岡山との県境に位置する西播磨と姫路市を含む中播磨を合わせた播磨姫路医療圏の将来を担う中核病院となる。

 統合の目的は大きく二つ。一つ目は人材育成センターと
しての役割を担うこと。播磨姫路医療圏は人口10万人当たりの医師数が、全国平均よりも低い190人程度。この地域から毎年約100人が医学部に進学するものの故郷へ戻ってこない―というのが実情だという。「卒業生が帰ってきたくなる、充実した研修体制を整える。加えて、ベテランの生涯教育もできる。そんなセンターを目指します」

 二つ目は、救命救急センターとしての機能拡充。すべての診療科を備え、バックアップ体制をより強化することで、高度医療に取り組む。「循環器領域の救急患者が増えることで、受け入れ件数は今の倍以上になる。3次救急を含め断らないセンターとしてしっかり対応したい」

 救急の現場は、若手育成の主戦場でもある。「医師だけでなく、看護師、技師など、ここで育った人材が医療圏全域に広がっていってほしい。全体の底上げは、新病院の使命。患者さんからも、職員からも、『播磨姫路医療圏っていいよね』と言われるのがゴールです」

目指すのは職員が元気に働ける病院

 目指したいのは、職員が元気に働ける病院。「毎日同じことばかりの連続ではなく、日々新しいことに取り組んで、その有用性をみんなで評価する。そして成功する、しないにかかわらず情報発信していくこと。これを続けられる病院には人が集まるし、発展していくと思っています」

 人材育成と救命救急を担いつつ、いずれ全国から患者が集まる病院になれたらと希望を語る。「ずっと先になるかもしれませんが、国外からも患者さんがやってくる、そんな病院になれば成功ですね」

人生なんとかなる

 若い人に一番伝えたいこと。それは、「人生は長い、疲れたら休もう、休み疲れたらまた歩きたくなるさ」。この一言に、人生経験が凝縮されている。「若いうちからガリガリにキャリアプラン作るとか、そない急がんでも。どっしり座って口開けてたら、誰かがエサ入れてくれることもあります」と笑う。

 自らの人生を振り返りつつ、アドバイスや助け舟、時には口車に乗ってみるのも一手、と語る。

 「今、うまくいってなくても大丈夫。それでグチグチ言うより、『こうすれば良うなるんちゃう』と言い合う方が健全で楽しい。結局、なんとかなるもんです」と軽やかだ。

 統合新病院開設まで多忙な日々が続くことが予想される。「引き受けた以上、このプロジェクトをしっかり成功させたいと思います」

社会医療法人 製鉄記念広畑病院
兵庫県姫路市広畑区夢前町3―1 ☎079―236―1038(代表)
http://www.hirohata-hp.or.jp/

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