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病院移転・新築を医師確保にもつなげたい

病院移転・新築を医師確保にもつなげたい


院長(さの・けん)

1993年山梨医科大学(現:山梨大学)医学部卒業。
医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院、医療法人徳洲会松原徳洲会病院などを経て、
2015年から現職。

 国内に71の病院を擁する徳洲会グループ。東北地区4病院の中で最も早い1986年に開院したのが、「仙台徳洲会病院」だ。30余年を経て、新病院の移転・新築プロジェクトが動き出した。

―新病院建設プロジェクトがスタートしました。

 開院から今年で33年が経ちました。病院建物の老朽化に加えて、2011年の東日本大震災による影響もあります。

 また、病院全体が手狭になっています。病室は古い設置基準で造られていますので、現代の療養環境と比較すると大変不便な状況です。さらに近年は、医療機器が大型化している上に、使用する医療機器の数も増えていることなどから、手術室も手狭になっています。このような事情を踏まえて建て替えの話が具体化することになりました。

 2019年11月に着工し、2021年10月頃の完成を目指します。

 現地での建て替えが理想でしたが、病院建物を広くするには敷地が狭く対応できませんでした。そこで、同じ区内の直線距離で2㌔ほど離れた場所に移転。約3万3千平方㍍、約1万坪という広い土地を確保できました。

 新病院は地上9階建てで免震装置を導入。特徴的なエントランスにしようと3階吹き抜けの広々とした造りにする予定です。手術室の増室も計画しています。

 病床は315床。病棟にはAIなどの最新システムを取り入れる予定です。これは顔認証を使ったセキュリティーシステムで、入院中の患者さん以外は病棟に自由に出入りすることはできません。

 病棟内の配置などにも配慮します。調査によると病院内での多い事故は高齢者の転倒やベッドなどからの転落。そこで、入院患者さんへの目配りをよりきめ細かくできるように考えています。

 例えばオープンカウンターのナースステーションを設けたり、従来のように病室をドアで区切るのではなく特種なすりガラスで仕切ったりすることで、プライバシーを確保しながら見守りもできます。

 このような配慮によって、患者さんだけでなく、働く職員にとっても効率の良い動線を確保することが可能です。

 東北地域は、医師や看護師をはじめ医療職の確保が年々難しくなっています。新しいシステムを導入することによって、人手不足を補うことができるようにしたいとも考えています。

―病院運営で力を注いでいることや今後について聞かせてください。

 徳洲会グループは、「生命(いのち)だけは平等だ」を理念に、「いつでも、どこでも、誰でもが最善な医療を受けられる社会」を目指しています。

 救急医療には特に力を入れており、当院でも毎月約500台、年間で約6000台の救急車を受け入れています。

 また、急性期を終えた患者さんについては、地域の病院や診療所などに速やかにお返ししていますので、地域での役割分担はスムーズだと思います。

 初期研修医をはじめ医師の教育にも力を入れています。現在、徳洲会グループ東北地区には、当院も含めて4病院あり、いずれの病院でも課題は医師の確保です。これは、東北地区全体の課題でもありますので、少しでも多くの研修医に地域に残ってもらうよう、環境面や教育面での充実が必要でしょう。

 若手を継続的に受け入れて、優秀な医師に育てていくこと―。シンプルなことですが、永続的な病院運営に人材は欠かせません。指導する側は、若手の良いところを伸ばすこと、相談しやすい雰囲気をつくることなどを心がけています。

 新病院建設によって、職員の職場環境が整備され、医療職確保につながることを期待しています。

医療法人徳洲会 仙台徳洲会病院
仙台市泉区七北田駕籠沢15
☎022―372―1110(代表)
https://sendai.tokushukai.jp/

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