九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

病院・地域で協働し信頼と共感の医療を追求

病院・地域で協働し信頼と共感の医療を追求

 
院長(ごせき・なりひで)

1973年東京医科歯科大学医学部卒業。同附属病院第一外科入局。東京都立駒込病院、
東京医科歯科大学医学部附属病院などを経て、2004年から現職。
東京医科歯科大学臨床教授兼任。

 地域医療と救急医療を両翼にする秀和総合病院。高度な先進医療の提供、搬送困難な患者の受け入れ、地域医療連携室の設置などを通し「信頼できる安心医療」を推進している。外科医として第一線に立ち続ける五関謹秀院長は、広い視野で医療界の未来を見据えている。

―近年の医療課題は。

 超高齢社会を迎え、春日部市でも高齢者が増えています。患者さんに説明を十分に理解してもらえない、高齢夫婦世帯で患者さんが家族のサポートを受けられない…など、医療を提供する手前で困難が生じるケースによく出合います。

 また、当院では搬送先が決まらない患者を受け入れていますが、生活保護を必要とする高齢者の場合には行政との連携が必要になるなど、高齢化から広がる問題への対応の難しさを痛感しています。

 一方で、在院日数を短縮し、在宅や施設へという流れが起きています。「受け入れ側の準備は十分か」と問えば、整っているとは言えません。他業界からの参入も増えており、発展途上の施設は少なくありません

 例えば、誤嚥(ごえん)性肺炎で入院していた患者さんを家に帰しても、同じような生活をすれば、再入院になってしまいます。当院では、対応できる施設に患者さんを移せなければ前進はないと考え、NSTカンファレンスに意欲ある施設のスタッフを呼び、一緒に勉強をしています。食べることの重要性、効果的・効率的な医療の提供の正しい理解を広めたい思いもあります。待っていても状況は改善しません。自分たちでできることは積極的に取り組みます。

―埼玉県は全国でも医師・看護師不足が深刻です。

 東京医科歯科大学と連携しており、200数床で50人超の常勤医師がいます。医師不足が慢性化する中、これだけ充足できているのはわれわれの強みです。

 今、求められているのは、日本もグローバリゼーションが進み、日本に根付いた価値観を持つ人、欧米の個人主義を受け入れる人が混在する中で、医師と患者の関係性にも変化が生まれていると感じています。

 昔は「共感の医療」つまり、病気治療に立ち向かう医師の情熱に感動し、病魔克服に立ち向かう患者さんの闘魂に感動する医療があり、医師と患者が信頼し合って結果を出しました。しかし今は、信頼関係が揺らいでいます。若い医師は防衛に走らざるを得なくなっているのです。

 信頼される医師を育てるため、教育の重要性が増していると考えます。大学では専門性の細分化が進んでいるため、一般的な開腹手術ができる医師が減っている現実があります。これではいざというとき対応できません。医師は専門性を追求すると同時にすべてのことを身に付けるべきです。当院でははじめの5年間はあらゆる経験をさせます。

 また、私は外科医であるため、術中に自分に何かあっても患者を守れるように、自分に代わる医師を育てなければいけません。そこで長年、積極的に執刀の位置に若手を立たせ、私は前立ちの位置で手術をしています。みんな懸命に患者に対峙しているので上達が早く、結果、あらゆる手術に対応できるようになっています。

―さらなる取り組みは。

 大学病院からこの病院に移ったのは、「患者にトータルで寄り添いたい」という思いからです。

 分担や効率性も大切ですが、全体を把握することを忘れがちです。トータルで見てはじめて、患者のために病院が本当にすべきことが見えてきます。

 施設か在宅か、という流れであっても、最後まで患者を診るのは病院の役割です。退院後のケアやサービスをシステム化し、まず春日部エリアで定着させたい。そして、いずれは海外などで活用できるシステムとして紹介できればと願っています。

医療法人秀和会 秀和総合病院
埼玉県春日部市谷原新田1200
☎048―737―2121(代表)
http://www.shuuwa-gh.or.jp/

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