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病院を中核とした再開発プロジェクトが進行中

病院を中核とした再開発プロジェクトが進行中


鹿児島市泉町2―3 そうしん本店ビル4階 ☎099―226―8036(本部)
http://www.gyokushoukai.com/

 鹿児島市中心部、高麗町の旧交通局跡地で進む再開発プロジェクト。「キ・ラ・メ・キ テラス」の中核を担う二つの医療機関のうち、回復期・慢性期機能を担うのが高田病院だ。その経営母体である医療法人玉昌会は、プロジェクト推進の重要な役割を果たしている。新築移転する高田病院の全体像とは。

◎長期入院でも快適に生活できることを根底に設計

 2021年2月のオープンを目指す新しい高田病院のコンセプトは「100日を通して、やさしく包まれる病院」。高田病院を擁する医療法人玉昌会の髙田昌実理事長は、「入院期間が平均100日前後と言われる回復期、慢性期病院の患者さんに快適に過ごしてもらいたいという願いを込めました」と語る。

 病棟への通路は、大きな窓と広いスペースを確保。ここは鹿児島市内の景色を眺めて、患者やその家族が憩う展望デッキのような機能を持つ。さらには病室内に入り込む日差しを考慮した庇(ひさし)のような役割もあり、その機能から〝縁側廊下〟と名前が付けられている。

 この一般の通路とは別に、スタッフ専用の通路を、病棟フロア中心に設けた。この通路からは、各階に備えてあるリハビリ室や浴室が直結。これによって、患者の見守りがスムーズになり、スタッフの負担も軽減される。

 全179床の予定。8割は個室または2人部屋、残り2割を4人部屋とする計画だ。2人部屋や4人部屋の仕切りはプライバシー確保を重視した。

◎急性期から慢性期まで一貫した医療サービスを

 高田病院が新築移転する「キ・ラ・メ・キ テラス」は、1階部分の階高が6㍍の高さにかさ上げされている。これは南海トラフ大地震が起きた時、錦江湾(鹿児島湾)まで押し寄せる津波が最大4㍍と予想されているからだ。テラス全体が災害時の避難場所に指定されており、市の中心部にあることは市民にとっても心強い。

大きな窓から桜島を見渡せる「縁側廊下」

 さらに、回復期・慢性期機能を担う高田病院に隣接して、急性期対応の今給黎総合病院(公益社団法人昭和会)も新築移転。二つの病院は、渡り廊下でつながるため、医療サービスを提供する上での協力や医療従事者の交流が期待されている。救急で今給黎総合病院に入院し、リハビリを隣接の高田病院で受けることもできる。

 「これからの医療サービスは、『治す治療』から、『治し、支える治療』が必要となってきます。医師も患者さんの病気を診るだけでなく〝人〟を診るゼネラリストが求められるでしょう。私たちのような回復期・慢性期の病院に求められていることは何かを、しっかりと考えていきたいと思います」

◎病院を中核とする再開発プロジェクトの将来性

 高田病院を経営する医療法人玉昌会はもともと、創業60周年事業の一環として、同グループの加治木温泉病院を中心に「JOYタウン構想」を進めていた。この構想は、姶良市において介護・予防・教育・住まいの機能を集約し 、生活支援に不可欠なサービスを一体となって提供するというもの。

 医療機関が中心の街づくりというJOYタウンのコンセプトは、「キ・ラ・メ・キ テラス」のコンペで大いに生かされた。質の高いプランを提示できたことが、玉昌会が参画する共同事業体が、優先交渉権を獲得できた要因の一つになった。

髙田昌実理事長

 この病院を中心とした街づくりは、全国各地の再開発プロジェクトにおいて重要なファクターになり得る。「60万人規模の鹿児島市のキ・ラ・メ・キ テラス、5~10万人の姶良市のJOYタウンの完成は、多くの再開発計画にとって一つのモデルケースになるでしょう。さらには、日本と同じように高齢化問題を抱える中国、東南アジアなどでも注目してもらえると期待しています」と髙田理事長。その目は、さらに先の将来を見ているようだ。

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