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病診・病病連携を深め「熊本方式」で地域医療を守る

病診・病病連携を深め「熊本方式」で地域医療を守る

一般社団法人  
院長(きよずみ・たけあき)

1981年熊本大学医学部卒業。
人吉総合病院(現:人吉医療センター)、球磨郡公立多良木病院などを経て、
1987年熊本地域医療センター入職。2018年から現職。

 1981年に熊本市医師会立の病院として開設された「熊本地域医療センター」。ここに30年以上勤務し、医師生活のほとんどを過ごしてきた清住雄昭院長。長年にわたって培ってきた医師会員である地域開業医との信頼関係を基盤に、さらなる連携の強化を目指している。

—病院の概要と特色は。

 理念は、「かかってよかった。紹介してよかった。働いてよかった。そんな病院をめざします。」と、非常にシンプル。病院理念といえば、いろんな文言を並べたものが多いのですが、これなら職員の誰もがすぐに覚えられる。患者さんにも分かりやすいですよね。

 熊本市医師会立の病院ですから、開院当初は「自分たちの病院をつくろう」という意欲のある、非常に熱い情熱を持った先生が多かったと思います。私が赴任して30年以上、常勤医師では最も古株になりました。当時の思いを後進に伝えていきたいと思っています。

 当センターの大きな特徴としては医師会員の共同利用施設であり、完全紹介型病院であることです。

 現在では医療界の常識となっていますが、開院当初から「病診連携」に取り組んできました。また、熊本市からの委託事業として、夜間・休日の救急診療を続けています。

 これはいわゆる「熊本方式」と呼ばれる運営方法です。熊本市医師会、熊本大学病院の医師を中心とした内科、外科、小児科の専門医が1次診療に当たり、当院の常勤医が後方支援に当たります。

 年間に約3万3千人、インフルエンザ流行のピーク時には、1日480人以上の患者さんを受け入れたこともあり、熊本市とその近郊の患者さんにとって信頼いただける病院であると思っています。

—地域医療連携室など院内部門の役割は。

 地域医療を支えている医師会員と当センターの連携をスムーズに行う窓口として2002年に開設したのが地域医療連携室です。

 専任のスタッフが、患者さんの入退院や医師会の共同設備の利用などに関する事務手続きを一手に引き受けています。医師会員との間に「熊本リージョナルネット」を構築して診療情報のデータを共有することで連携を強化。現在55の医療機関で利用されており、今後も増やしていきたいと思っています。

 また、会員の先生方に当院をより身近に感じていただくために「熊本地域医療センターだより」を毎月1回発行。熊本地震で被災した時にも途切れることなく現在までに通巻で170号を超えています。

 連携室と役割を分担して、病院全体の品質向上を管理するのがQMC(クオリティー・マネジメント・センター)です。こちらも専任の看護師と社会福祉士を置いて医療安全の推進、院内感染の制御をはじめ、さまざまな患者さんのサポートに当たっています。

—今後の課題は。

 病院理念の一つである「働いてよかった」病院を実現するための取り組みとして、2015年に「働きやすい病院評価」認証、2018年に「日本医療機能評価機構・病院機能評価」の認定を受けました。勤務時間帯が誰にでもすぐに分かるように日勤、夜勤の看護師のユニフォームを赤と緑に色分けするなどの取り組みが評価され、離職率の改善にもつながっています。休日夜間急患センターの業務は、スタッフ確保の難しさがありますが、何としても堅持していきたいと思っています。

 本館施設は老朽化しており、熊本地震の被害も甚大で現在も修理、工事が続いています。病院の建て替えは喫緊(きっきん)の課題です。3〜4年後の完成を目指して、建設委員会で準備を進めているところです。新病院建設も視野に入れながら、より一層の「病診・病病連携」を進めていきたいと考えています。

一般社団法人 熊本市医師会 熊本地域医療センター
熊本市中央区本荘5—16—10
☎096—363—3311(代表)
https://www.krmc2.org/

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