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病気を治し、退院後も守り続けるために

病気を治し、退院後も守り続けるために

独立行政法人地域医療機能推進機構 神戸中央病院
病院長(まつもと・けいご)

1986年京都府立医科大学医学部卒業。
米マサチューセッツ総合病院・ハーバード大学医学部、京都府立医科大学附属病院、
JCHO神戸中央病院脳神経外科部長、同副院長などを経て、2020年から現職。

 「急性期治療とともに在宅ケアに対する細やかな配慮、治療後の生活を考えて手を尽くしたい」と語る松本圭吾病院長。老健や訪問看護ステーション、健康管理センターなどを併設する総合医療センターとしての果たすべき役割とは。

ニュータウン住民の健康を支え続ける

 神戸市の面積の4割強を占める北区。その南部に造られたニュータウンに、市中心地から移転して早34年。地域で唯一の急性期総合病院として人々の健康を支え続けてきた。

 30代で入居した住民は、すでにシニア層。子どもは巣立ち、夫婦または単身で暮らすお年寄りが多い。「生活習慣病を持ち、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病を発症している方がかなりおられる。高齢者に対する施策は大きな柱です」と、松本病院長。

 地域医療支援病院として、四つの使命があると語る。第一に救急医療、次に紹介患者に対する医療、そして医療機器の利用提供と、地域の医療従事者に対する研修だ。

 「中でも救急は要。日勤帯は専任救急担当医を置き、当直は内科・外科・集中治療室で体制を組んで脳卒中や心疾患に対する24時間オンコールで対応。年間約2500台の救急車を受け入れています」

退院後の暮らしをどう守っていくか

 一番の課題ととらえているのは、患者が急性期を脱した後の対処。「病院としてどこまで支援できるか。例えば脳卒中は、少し症状が残るだけで生活の支障になり、ご主人の体が大きければ、もう奥さんは介護できない。入院中に計画を立て、実行に移せる体制を強化したいと思います」

 頼りにしているのは、現在も自ら長をしている地域医療推進部だ。「アンテナを張り、医療介護資源を発掘、把握しながらベストマッチを探してくれています。経過にも、さらに目配りできるようにしたいですね」

 病院は市が設置する「在宅医療介護連携支援センター」業務も受託し、外部からの相談も受け付けている。「地域から信頼していただくことで、連携がスムーズになる。治療からリハビリ、再発予防まで全体を見渡すシステムづくりを、中心となって進めたいと思っています」

 院内に目を向ければ、各科を横断するチーム医療の連携も活発だ。緩和ケアチーム、NST(栄養サポート)、ICT(感染対策チーム)、口腔ケアチームに加え、2019年9月からはフットケアチームが始動。「循環器スタッフの増員が決め手でした。皮膚科や糖尿病など各診療科に加え、理学療法士などが協力。話し合いを進め、集学的治療のクオリティーが上がりました。大きな進歩です」

ストラテジーを病院運営に生かす

 小さい頃から、冒険好き。三輪車で遠出して行方をくらまし、親を慌てさせた。大学時代にはワンダーフォーゲル部にて、冬は雪山、春は離島へ。また中国のシルクロードにも足を踏み入れた。まだ見ぬ世界への憧れが、いつしか医療の世界につながった。

 「脳は未知の領域。そこで何が起こっているのか解明したいというサイエンティフィックな興味がありました」。脳外科に進んだのも、当然のなりゆきだったと言えそうだ。

 ストラテジー(戦略)を立て、実践する外科医の手法も、自分には合っていたと話す。「あれがダメならこれと、さまざまな手を考えて最終的にゴールに到達する。それによって患者さんが良くなるところに達成感があります」

 このアプローチは病院運営にも生かされそうだ。「より複雑な戦略が必要だと思いますが、何事も挑戦です。職員や地域の方が少しでも幸せになれるように考えていきたいですね」


神戸市北区惣山町2ー1ー1 ☎️078ー594ー2211(代表)
https://kobe.jcho.go.jp/

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