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産後ケアデイサービスに続き小児への訪問診療を開始

産後ケアデイサービスに続き小児への訪問診療を開始

独立行政法人地域医療機能推進機構 大和郡山病院
松村 正彦 院長(まつむら・まさひこ)

1978年京都大学医学部卒業。
同附属病院小児科、天理よろづ相談所病院などを経て、
2013年奈良社会保険病院(現:大和郡山病院)入職、2017年から現職。

 目指すのは「何かあれば診てもらおう」と頼りにされる〝かかりつけ病院〟。223床の規模ながら、大和郡山市の市民病院的な存在として根付いている。小児科医として子どもに寄り添いつつ、患者に温かいまなざしを向ける松村正彦院長に聞いた。

―診療の現状や特色は。

 消化器内科・外科を柱に、呼吸器や循環器などの専門内科診療、また眼科手術や泌尿器科手術も積極的に行ってきました。産婦人科と小児科においては、市内で唯一の入院施設。母と子のケアに注力しています。

 1年前には、市が行う「産後ケア事業」の指定医療機関として母子受け入れを開始。赤ちゃんと個室でゆったり過ごしながら、助産師などの専門スタッフに気になることを相談できるデイサービスです。希望すれば誰でも利用可能。現在は日帰りのみですが、1泊2日のショートステイ型にも広げられないか、市と協議しているところです。

 2019年4月には、小児科医による訪問診療を始めました。気管切開、人工呼吸器、経管栄養など医療ケアを必要とする子どもは全国に約1万8000人。県内には約160人と把握されています。このような医療的ケア児の家庭を月2回程度訪問し、気管カニューレ交換や予防接種などを行っています。大学病院に通院するにしても、ご家族の負担はかなり軽減されるでしょう。

 訪問先は現在9軒。範囲を広げたいところですが、採算が取れないのが悩みの種。遠方になればなるほど、その間の病院業務に制約が出るジレンマもあります。しかし、子どもに障害があっても安心して一緒に暮らしたいという家族の思いを見捨てるわけにはいきません。踏ん張って継続したいですね。

―大和郡山市は以前から病診連携が盛んだそうですね。

 医師会を中心とする病診連携システムは1995年にスタート。今年で25年、四半世紀を迎えます。

 2018年7月には市と医師会が主導して「在宅医療・介護関係者と病院関係者の連携マニュアル」を作成。当院の職員も協力しました。

 開業医からの紹介はもちろん、看護師やケアマネジャーからの相談、受け入れがさらにスムーズになればと期待しています。これに連動して、5階にあった地域医療連携室を1階に移動。スタッフも増やして業務に当たっています。

―社会保険病院からJCHO(地域医療機能推進機構)へ移行してまもなく6年になります。

 機構のキャッチフレーズは「安心の地域医療を支えるJCHO」。われわれも「地域医療、地域包括ケアの要」として貢献していきたい。附属の訪問看護ステーションや地域包括ケア病棟も利用しつつ、切れ目のないサービスを実践します。

 社会保険病院時代から力を入れているのが、保健予防活動。健康管理センターの運営以外にも、各分野の専門認定看護師が中心となって活動を続けています。

 例えば、院内教室のほか、商店街の一角で「まちの保健室」と題した健康相談を月1回開催。感染管理認定看護師が保育園などで行う感染症対策の出前講座や、救急看護認定看護師による救急蘇生の講習会、皮膚・排せつケア認定看護師による褥瘡(じょくそう)予防の講習会なども続けています。地域の訪問看護ステーションの看護師やケアマネジャー向けの研修会も年6回開催。尿閉や誤嚥(ごえん)に関する実技は「現場ですぐに役立つ」という声をいただいています。

 私が小児科医になったときに恩師から言われたのは、「アドボカシー(代弁者)たれ」という言葉。世の中が不安定になれば、子どもや高齢者にしわ寄せがいきがちです。社会に対し声を上げづらい人々の代弁者となる、そんな気概を持ち続けたいと思っています。

独立行政法人地域医療機能推進機構 大和郡山病院
奈良県大和郡山市朝日町1―62
☎0743―53―1111(代表)
https://yamatokoriyama.jcho.go.jp/

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