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生活に密着するリハビリ分野 女性医師の活躍にも期待

生活に密着するリハビリ分野 女性医師の活躍にも期待

佐賀大学医学部附属病院 リハビリテーション科
診療教授(あさみ・とよこ)

1984年福岡大学医学部卒業、1988年佐賀医科大学(現:佐賀大学医学部)大学院修了。
米Christine M. Kleinert Institute留学、佐賀医科大学附属病院整形外科学内講師、
佐賀大学医学部附属病院リハビリテーション科科長などを経て、2007年から現職。

 2019年、男女共同参画社会実現に尽力したとして内閣府より「女性のチャレンジ賞」を受賞した佐賀大学医学部附属病院の浅見豊子診療教授。その受賞背景と現在の研究活動について聞いた。

―受賞の背景は。

 豊かで活力ある社会を実現し、男女とも生きがいを持って充実した暮らしをするためには意欲と能力のある女性のチャレンジが必要と、内閣府男女共同参画会議で女性のチャレンジ支援策が決定されました。

 そのような仕事をしているということで、佐賀県が推薦してくださったのですが、突然のことで驚きました。義肢装具領域の普及・啓発・教育、先進医療への取り組み、女性医師支援を続けてきたことへの評価だと喜んでいます。

 表彰式前には「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」にも出席しましたが、全国でさまざまなことに取り組んでいらっしゃる方々のお話を聞き、大変刺激を受けました。

―現場での女性の活躍は。

 公益社団法人日本リハビリテーション医学会でも女性の専門医が集まってRJN(リハビリテーション科女性医師ネットワーク/Rehabilitation Joy Network)をつくり、女性医師やこの分野を目指す女子学生の支援に取り組んでいます。RJNの〝Joy〟は女医の意味も含めています。

 私の世代では女性医師は2割にも満たなかったのですが、今の20~30代になると3~4割と、女性医師も増えてきています。

 女性は妊娠・出産そして子育てというライフイベントがあります。仕事も懸命な女性は、子育てにも一生懸命。そういった女性を含めて、広く女性たちが力を発揮できるように支援していく組織です。

 リハビリテーション医療は、けがや病気などで機能を失ったり、制限されたりした患者さんの機能や障害を改善させて、活動を支援する医療分野です。その意味でも生活に密着している女性が活躍できる場は、十分にあると感じます。

―今後の展望について教えてください。

 リハビリテーション医療は、整形外科、脳神経外科、脳神経内科、小児科など、さまざまな領域で必要不可欠なものです。大学病院としても多くの領域におけるリハビリテーションアプローチに関わることができればと思っています。

 佐賀大学では、2001年から筋電義手を使ってのリハビリテーション治療にも取り組んでいます。佐賀県内だけでなく、山口県など遠方からも患者さんが来られます。

 佐賀県との共同支援事業として、介護ロボットの普及にも取り組んでいます。2017年には佐賀県内30カ所ほどの施設に介護ロボットを貸し出し、実際に体験してもらいました。2019年度は介護度が軽度の患者さんに利用いただき、介護度が進まないようにする研究を進めています。

 介護ロボットがもう少し普及すれば介護現場のマンパワー不足を補うことにもなると期待しています。

 私の専門分野は義肢装具領域ですが、恩師である渡邉英夫先生のご指導の下、「Saga Plastic AFO」という脳卒中の下肢まひ用の短下肢装具をはじめとした種々の装具の開発も行ってきました。そして、これらの装具の臨床応用を現在も継続しています。

 近年、再生医療が脚光を浴びています。しかし再生医療の治療は、その後のリハビリテーション治療が非常に重要であることが専門家の一致した考えです。

 再生医療においても、ロボットなどを活用したリハビリテーション治療を行うことが、より良い成果を生み出すものと考えています。この分野においても、リハビリテーション科医の力が発揮できることを願っています。


佐賀市鍋島5―1―1
☎0952―31―6511(代表)
https://www.hospital.med.saga-u.ac.jp/hp/medicalcare/rehabilitation/

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