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現場ニーズに迅速に対応 独自の災害医療チーム派遣

現場ニーズに迅速に対応  独自の災害医療チーム派遣

医療法人栄和会 泉川病院
泉川 卓也 理事長・院長(いずみかわ・たくや)

2003年帝京大学医学部卒業。、湘南鎌倉総合病院、
医療法人栄和会泉川病院副院長などを経て、2015年から現職。

 「悩める人を癒やし、苦痛を和らげ、心を慰め、そして病気の予防を」と理念を掲げる泉川病院。地域医療を担う一方で、災害時の医療支援にも尽力。その活動について泉川卓也理事長・院長に聞いた。

─災害医療派遣について。

熊本地震によって大きな被害を受けた益城町の様子。泉川病院のチームは地震直後に出動した

 雲仙・普賢岳噴火で1991年に被災したのをきっかけに、2012年、独自の災害医療派遣チームを組織しました。私を含め看護師、臨床検査技師など9人で活動。2016年の熊本地震に出動した際には、本震直後の益城町で救助活動を実施。無事に負傷者を広域病院に搬送することができました。

 これまでの活動で得たサーチ&レスキューの手法と、現場で自ら収集した情報を一元化する「地図」の作成がチームの大きな特徴です。「特殊な医療行為ができなくても、点滴1本をつなげるだけで良い」と考え、災害の最前線に向かうことを重視しています。

 「令和2年7月豪雨」の際には、芦北町と人吉市で医療支援や飲料水配布、病院の復旧作業、患者さんの搬送などを担当。交通が分断された山間部の集落に徒歩で入り、無線で連絡を取りながら情報収集と支援を行いました。

 被災された方には積極的に声を掛けます。地域の医療機関は停電や浸水などで機能できないことが多いので、われわれのようにフットワークよく動けるチームは重宝されます。

─備えや訓練はどのようにされていますか。

 バン2台にトラックとクレーン付きのトラック各1台、原付きバイク2台、水上バイク1台、救命艇1艇、ゴムボート2艇、発電機3台などです。担架や支援用の2㍑入りペットボトル約800本も常備しています。

足場が悪い災害現場で、徒歩で活動する泉川病院チー

 災害現場では、移動手段が徒歩しかない場面もあります。当院のチームは平均年齢45歳で、活動時に体力のなさを痛感した経験もあり、真夏の7月と、真冬の12月に訓練を実施。島原半島を徒歩で一周する訓練や、メンバーには院内のランニングマシンで週2回走る義務を課しています。

 循環器内科の医師が私1人で、災害現場に行く際は、快く協力していただいています。また、地域の皆さんにも、災害医療派遣への理解が広がっています。

─今後の展望は。

医療物資が並ぶ救護ブース

 より良い医療を実現するために、まず病院が潤い、医療スタッフが潤い、余裕を持って患者さんに接することが大切です。看護基準7対1を維持するべく、看護師長と事務局長による地域の高校訪問、独自の奨学金制度などで看護師確保に力を入れています。

 ノー残業デーも設けています。「業務が滞るのではないか」という声もありましたが、現在は週3日のノー残業が実現しています。結果的に、ほかの曜日もほぼ残業がなくなりました。

 まず病院としての基盤をしっかりと固め、災害医療派遣など理想の医療を追求していきたいと思います。

医療法人栄和会 泉川病院
長崎県南島原市深江町丁2405
☎0957─72─2017(代表)
http://www.izumikawa.or.jp/

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