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独法化も視野に入れ 装い新たに今、前進

独法化も視野に入れ 装い新たに今、前進

 
病院長(むらかみ・しんご)

1980年愛媛大学医学部卒業、同耳鼻咽喉科。愛媛県立中央病院、米スタンフォード大学留学、
名古屋市立大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室教授などを経て、2018年から現職。

 独法化、さらには名古屋市立大学の附属病院となる構想が検討されている名古屋市立東部医療センター。その牽引役は同大学の耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室教授を長らく務め、大学病院の副病院長も兼任していた村上信五氏。2018年にセンター病院長に就任、今年3月には教授を退任して専任となった。思い描く未来像とは。

—今秋、新たに「入院・診療棟」が完成しました。

 4年前に竣工した「救急・外来棟」と連携しやすいよう診療部門を配置しました。1階は主に放射線診断・治療部門、2階には内視鏡や生理検査などの部門、さらに3階から8階までは病棟部門が入ります。

 9月に引き渡しがすんで、来年1月から稼働予定です。さらに、旧病棟跡に駐車場を整備。これで完成形となります。

 「救急・外来棟」開設後、救急部門は着実に実績を上げ、昨年2月、救命救急センターの指定を受けました。「断らない救急」をモットーに、年間7000件超の救急搬送を受け入れています。ただ、応需率しきれない場合もあり、まだ改善の余地があると思っています。

—名古屋市立病院改革の一環として、独法化の検討が進んでいます。

 名古屋市立大学(名市大)のもと、名市大病院、市立西部医療センターと当センターがホールディングスとなるイメージです。大学はすでに地方独立行政法人ですので、二つのセンターが独法化し、三つの病院が大学の附属病院となる形をとります。

 大学病院が800床、西部医療センターが500床、当センターが498床。合わせて約1800床の大きなネットワークとなる。スケールメリットが十分に生かせるでしょう。

 大事なのは、大学に従属するのではなく、それぞれが特色を維持し、付加価値を加えていくことです。西部は陽子線を含むがん治療や小児・周産期に強みを持つ。われわれは救急、循環器、脳。周辺病院とのすみわけも考えながら、どこの何を強化していくのか、大学の主任教授と相談し計画的に進めていきます。

 公立病院ですから、不採算部門を引き受ける責任もある。しかも経営を安定させるとなると、目玉となるものをつくる以外にないと思っています。

 救急の充実にも力を入れたい。現在、常勤医90人、シニア・研修医が計40人。救急専任は3人で、これで救急をフルに回すのは難しい。大学と一体化することで若い医師が加わってくれることを願っています。

 人材交流が活発になれば、職員のスキルアップやキャリアアップにもつながるでしょう。研修医や医師に対する求心力も高まりますし、3病院で協力すれば治験や臨床研究の症例もより多く集まる。全体で医療レベルのアップが望めます。

 西部も当院も、医師の9割以上が名市大からの派遣で病院間の風通しもいい。これを機にさらにマンパワーを高めたいですね。

—これからの意気込みを。

 社会の変化に対し、今後、迅速に運営改革できる体制でないと存続は厳しい。独法化の狙いはそこです。

 教室運営や病院運営で大事なのはチーム力。多様性を発揮できるチームは伸びる。医師、メディカルスタッフはもちろん、病院には他にさまざまな職種の方が働いています。縁の下の力持ちとして、仕事をしてくれている人にも目を向け、感謝することを全職員に伝えていきたいですね。

 大事にしたいのは、あいさつと笑顔です。私は長年、顔の研究をしています。表情には説得力がある。あいさつも先にした者勝ちだと私は思っています。「まず自分から」を続けていくつもりです。

 病院は、変わるチャンスを迎えています。独法化はあくまで手段ですが、やってよかったと言われないと意味がない。決まった暁には猪突猛進でやっていきます。

名古屋市立東部医療センター
名古屋市千種区若水1—2—23
☎052—721—7171(代表)
http://www.higashi.hosp.city.nagoya.jp/

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