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特徴を生かした病院運営を目指して

特徴を生かした病院運営を目指して

社会福祉法人恩賜財団 済生会 山形済生病院 石井 政次 院長(いしい・まさじ)
1982年山形大学医学部卒業。同大学医学部整形外科助手などを経て、2018年から現職。

 およそ30年という長きにわたって院長職を務めた濱崎允前院長の後を引き継いで1年。石井政次院長は「強みを伸ばす経営」に力を注ぐ。

―開設から75年、病院以外も展開していますね。

 山形済生病院は1944年、産院として開設されたのがはじまりです。現在は、地域包括ケア病棟や回復期リハビリ病棟を含めて473床。病院を中心に、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム四つ、視覚障害者に特化した養護(盲)老人ホームも擁しており、全国の済生会の中でも比較的規模の大きな組織です。

 幅広い機能を備えることで、急性期から在宅までをトータルで診ることができるという点が一番の特徴だと思います。

―強みは。

 診療科でみると、産院からスタートしたという歴史もあって、周産期医療が強みの一つです。分娩件数は県内の病院で1位。産婦人科医6人、新生児を診ることができる小児科医が5人在籍しています。

 高齢妊産婦の増加などによって、県内でもハイリスクの妊婦が増えています。NICUを備えているほか、産婦人科の阪西通夫医師が周産期救急の教育プログラム「ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)」の指導者として、リスク管理と人材の育成に力を注いでいます。

 地域の分娩施設からの信頼もしっかりと得られているという実感があります。実際、近隣の産科医院から多くの患者さんが当院に紹介されてきています。

―整形外科も特徴的な診療科のようですね。

 整形外科は医師16人体制。脊椎、股関節、膝関節、手、足、骨軟部腫瘍など、整形外科のすべての専門分野においてスペシャリストがいるという点が、当院整形外科の大きな強みです。

 年間の手術件数は約2100例。特に、人工関節の手術を得意としており、人工股関節、人工膝関節の手術は合計で約800例以上実施しています。

 県内では人工股関節手術が実施できる医療機関が限られていることもあり、紹介いただく患者さんの数は年々増加しています。関東や近畿、時には九州からという場合もあります。

 人工関節の手術は、初回の手術だけでなく、すでに装着された人工関節を再置換するというケースも少なくありません。再置換の場合は、すでに装着されている人工関節を取り外さなければならないため、より高い技術が求められます。

 私の専門も人工股関節。骨の欠損部に骨を移植することで回復を図る治療法「インパクションボーングラフト」については、イギリスまで見学に行き、1994年に導入しました。多くの患者さんに、この手術を実施しています。

―これから注力されたいと考えていることは。

 当院の血管外科が実施している下肢静脈瘤の手術件数は年間約500件に上ります。今後も、増加していくでしょう。

 当院のような地方病院の場合、何か特徴的な診療科や手技を持ち、それを強化していかなければならないと考えています。同時に、従来のように急性期医療のみに特化するのではなく、地域の医療機関と連携し、役割を分担しながら、患者さんを診ていく必要もあると思います。

 前院長の後を引き継いだ当初は、大きなプレッシャーを感じていましたが、自分たちのこれまでの歩みを信じ、持っている強みをよく知って、生かしていくことが大事なのだと、今は思うことができるようになりました。

 同時に、地域からどんな役割を求められているのか、よく耳を澄まして聞き続け、それに応える努力を積み重ねていくことが大事だと思っています。

社会福祉法人恩賜財団 済生会 山形済生病院
山形市沖町79-1
☎023-682-1111(代表)
https://www.ameria.org/

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