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無差別平等の理念を掲げ新病院建設が進行中

無差別平等の理念を掲げ新病院建設が進行中

公益社団法人 石川勤労者医療協会 城北病院
金沢市京町20―3 ☎076―251―6111(代表)
http://jouhoku-hosp.com/

 近隣住民のために診療を中断することなく、2015年から一部改修部分を含めた新病院建設を進めている城北病院。緩和ケアや大規模災害時の対応などを踏まえ、20〜30年先までを見据えた病棟の再編を行っている。2020年のグランドオープンに向けて、現在の状況と今後の運営について、大野健次院長に聞いた。

◎病院の将来を見据え建て替えを決意

新設された緩和ケア病棟の一般病室

 金沢駅のほど近く。ここに、「城北さん」と親しみを込めて呼ばれる病院がある。現在は、2020年6月の完成を目標に建て替え中だ。

 「 〝住民立〟という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。この病院は、かつて付近の住民の皆さんがお金を出し合って建設したものです。その成り立ちから、私たちはこの地を離れないと決めています」

 実は今、金沢市内の病院の郊外移転が相次いでいる。 「私たちはこの場所で、通常の診療を続けながら建て替え工事を同時進行することにしたのです」

 病院は戦後すぐ、「すべての人に安くて親切な診療所を」という願いにより建てられ、その当初から、今も変わらぬ理念「無差別平等の医療」を掲げている。

 例えば、経済的な理由により、医療費の支払いが困難という人には無料低額診療で応じる。差額室料をとらない。そして、救急車は断らない。「受け入れが難しいとされるケースも断らず、市内全体の約1割強もの救急搬送を受け入れています」 しかし時代は変わっていき、必要となる医療も変化する。これからもさまざまなケースに対応できる病院であり続けるためにも、城北病院は建て替え工事を決意した。

◎緩和ケア病棟の新設 大規模災害にも対応

 新病院は、1床当たりの面積を今よりも広く確保するため、延べ床面積は拡張されるものの、病床数は314床から300床と減少させた。

 注目されるのが、新設された「緩和ケア病棟」だ。

 「これまでも、末期のがん患者さんの要望には、できる限り応えてきました。その中で現場のスタッフから『緩和ケアをもっと充実させたい』という声が多く上がってきたことが、今回の緩和ケア病棟の新設につながっています」

 緩和ケア病棟は、新しくなる本館西病棟最上階の5階に20床。全室トイレ付きの個室、屋上庭園、談話室や家族控え室などを備える。

 西病棟の1階は、より高度な治療管理が行えるHCUとし、救急病棟を現在の5床から10床へ増床した。2階は地域包括ケア40床、3階は内科・小児科、4階は外科・消化器科・循環器科となっている。「広くなって快適」といった声が、患者からも寄せられている。

 また、2008年の浅野川氾濫水害を教訓に、大規模災害時でも医療が継続できる構造にも配慮した。電気系統はすべて屋上階に設置、停電やライフラインの遮断に備え、一定期間分の医薬品、食料などの備蓄も整えている。

◎地域住民も新病棟づくりに参加

大野健次院長

 城北病院には、病院を支える住民組織、石川県健康友の会連合会金沢北ブロック、通称「友の会」がある。「城北病院友の会」として発足してから35年を迎え、現在の会員数は1万3000人を超える。

 健康づくりのイベント企画、今回の病院建て替え費用への長年にわたる積み立てなど、病院の運営にも大きな役割を担ってきた。まさに〝城北病院応援団〟とも言える心強い存在だ。新病院への住民参加も意欲的で、「ステンドグラス部」「陶芸部」など部活動形式による通常の活動に加えて、現在は新病院の中庭に設置される陶板壁画「ホスピタルアート」制作も進行中だ。

 「新病棟になっても変わらずに無差別平等の医療を掲げ、この病院だからこそできることを地域住民とともに、より一層追求していきます」

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