九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

滋賀医科大学 放射線医学講座 先端技術と患者をつなぐ人材育成と研究に注力

滋賀医科大学 放射線医学講座 先端技術と患者をつなぐ人材育成と研究に注力

渡邉 嘉之 教授(わたなべ・よしゆき)
1992 年大阪大学医学部卒業。国立循環器病センター
(現:国立循環器病研究センター)、聖路加国際病院放射線科、
大阪大学次世代画像診断学講座特任教授などを経て、2019 年から現職。

 2019年から、滋賀医科大学放射線医学講座の教授を務める渡邉嘉之氏。得意分野を持ったゼネラルラジオロジストを目指し、人工知能を使った画像診断の研究を進めている。また、人材確保を図り、地域全体の医療レベルの維持を目指している。


―就任時から大切にしていることは。

 当講座は伝統的に「ゼネラルラジオロジストを目指し、幅広い知識、技術を持った放射線科医を育成する」ことを方針としています。就任前から、放射線科が病院の中央部門として機能する良い流れが既にできており、現在もこの方針を柱にしています。

 私自身は、放射線科医として「画像診断という手段で、臨床医が抱える課題を解決し、患者さんに還元する」ことを大切にしています。これらの実現には、放射線部門全体のアクティビティーを高めていくことが重要です。放射線技師とのより良いコミュニケーション、各診療科とのカンファレンスを活発に行い、要望に応えられる画像診断、治療の提供に努めます。

 放射線科医の魅力は、人工知能をはじめ、常にテクノロジーの最先端にいること。新しいものを使って、さらに先を目指していく、非常にエキサイティングな経験ができる分野ではないかと思っています。

 コンピューターによる画像認識技術が発達したことにより、現在、画像診断における人工知能ソフトの研究開発が活発に行われ、臨床応用され始めています。検診での肺結節検出、CTでの経過観察などのルーティン業務を人工知能に任せることが期待されています。

 今後は、医師がより専門的な仕事に注力できるとともに、患者さんと対面する時間が増えることは間違いありません。さらには、検査件数の増加による業務の圧迫など、放射線科全体が抱える課題の解決も期待できます。


―放射線科医の確保と育成について。

 滋賀県内の医療の課題は、地域格差があることです。地域全体を支えていくことがわれわれの役割であることから、医師を確保・育成し、地域全体に配置しなければなりません。どこの地域であっても等しく、医療レベルの維持ができるよう努めていきたいと思います。

 また、オンとオフがはっきりとしているため、働きやすく、女性医師も多く活躍しています。マンパワーの確保は重要なのですが、放射線科は、研修医や学生からの認知度が高くありません。学生には、放射線科が中央診療部門として病院の中で重要であることを理解してもらうこと、研修医には、診断における読影の重要性を実感してもらうことで、放射線科医を志すきっかけになるように、指導していきたいと思っています。

 そのためにも、多忙であっても、スタッフ全員が楽しく働くことができ、やりがいや達成感を得られる職場環境であるべきです。講座内だけでなく、関連施設で働く人たちも同じように感じられるようにしたい。若手の医師には、一人ひとりの希望に合ったキャリアパスをつくり、大きく成長できる環境づくりに努めていきたいと思います。


―今後の展望はいかがでしょうか。

 人工知能を用いた研究開発を推進していきます。現在、立命館大学、奈良先端科学技術大学院大学などと協力しながら研究を進めており、いずれは社会実装できるようにすることが目標です。

 MRIを用いて生体内血液や脳脊髄液流の動態を画像化し、多くの疾患の病態解明をすることに注目しています。

 また、本学にはカニクイザルや各種動物にてMRI撮像を行える「動物生命科学研究センター」があり、この施設を利用して、脳脊髄液動態の画像化やIVRデバイスの開発などの基礎的研究を進めたいと思います。



放射線医学講座
大津市瀬田月輪町 ☎077―548―2111(代表) https://shiga-med-hqradio.com/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる