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消化器領域の専門性を追求 頼られる存在を目指す

消化器領域の専門性を追求 頼られる存在を目指す

 服部 昌志 理事長(はっとり・まさし)
1999年藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)医学部卒業、2007年同大学院医学系研究科修了。
藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院(現:藤田医科大学ばんたね病院)消化器内科講師などを経て、2010年から現職。

 積極的に新たな技術を取り入れながら消化器の専門病院として発展してきた山下病院。来院当日の「検査から結果の説明まで」に努め、早期発見・治療に尽力する。服部昌志理事長は「専門性を突き詰めていく」と言葉に力を込める。

―どのような点を強みとしていますか。

 上部消化管内視鏡検査や腹部超音波検査は、絶食の状態で午前中にお越しいただければ、原則として当日にお受けいただくことができます。

 予約や検査、説明のために何度も足を運ぶ必要はありません。1日で検査結果の説明まで行います。六つの内視鏡ブースをはじめCTや超音波診断装置がフル稼働し、この受け入れ体制を維持しています。患者さんは、一宮市はもとより名古屋市、あるいは三重県や岐阜県からお越しになる方もいます。

 2003年に大腸CT検査をスタート。これまでおよそ3万件の検査を行いました。内視鏡検査ではおよそ2㍑の下剤を飲む必要がありますが、大腸CTは200㍉㍑。受診者の負担を軽減できます。

 炭酸ガスによって腸を膨らませて、あおむけとうつぶせ、それぞれの体位で撮影します。検査に要する時間は10分足らずです。高齢者や女性のニーズが高いと感じています。

 また、2014年に保険が適用される以前から、当院では内科と外科が合同で実施するハイブリッド手術「LECS(腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除術)」にも力を入れてきました。

 LECSは、胃粘膜下腫瘍に対して、内科医が内視鏡下に切除。外科医は腹腔鏡下に切除します。胃の内側と外側からアプローチすることで最小限の切除を可能にし、胃の機能温存にも貢献します。

―高い技術力を維持できる理由はどこにあるのでしょうか。

 常勤医の多くは専門医ですし、内視鏡検査・治療に携わる看護師も消化器内視鏡技師の資格を取得しています。当院は、消化器領域における人材育成の場としても機能しています。

 また、専門病院としてしっかりと役割を果たせるよう、使用する機器についても常に最新の設備の導入を心掛けています。

 当院はもともと、幅広く診療する医療機関として歩み始めました。1901年に当院を開院した曽祖父は東京帝国大学在学中に知人から「尾張地域に病院がなく困っている」と聞き、当地で開院したそうです。

 私の父が病院を引き継いだ際に専門病院としてかじを切ることにしました。近隣に循環器の専門病院がありましたので、それぞれが得意分野を磨き、協力して大学病院にも劣らない医療を提供していこうという志を抱いたことが、現在の当院の基礎となっています。

 時代の流れの中で、地域内で医療機関の統合などが起こり、また高齢化が進んだことで、さまざまな併存疾患への対応が求められるようになりました。

 この地域は、急性期病院は充実していますが、慢性期や回復期の医療機関が不足していました。そうした医療ニーズを踏まえて、今年4月、これまで一般病床だった99床のうち20床を地域包括ケア病棟へと切り替えました。

 そうした動きもありながらも、やはり当院の軸は消化器の専門病院であることです。腸内フローラ検査を行う「腸内細菌外来」も開設しており、菌の種類と疾患に関する臨床研究なども進めています。

―地域とのつながりはいかがですか。

  地域の開業医の先生方との機能分化を重視し、顔の見える関係の構築に努めています。

 また2001年に開設100周年を迎えて以降、毎年、最先端の医療をテーマにした市民公開講座も開催しています。地域のみなさんから「お腹の相談所」として頼ってもらえる存在でありたいですね。

医療法人山下病院
愛知県一宮市中町1―3―5
☎0586―45―4511(代表)
http://www.yamashita-hp.jp/

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