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民設民営化で再出発 患者さん中心の医療を

民設民営化で再出発  患者さん中心の医療を


院長(むらた・のぶお)

1974年東京大学医学部卒業。
東京都立府中病院(現:東京都立多摩総合医療センター)、
埼玉医科大学総合医療センター外科助教授、
帝京大学大学院医療技術学研究科教授などを経て、2018年から現職。

 佐野市民病院は、2008年に指定管理者制度に移行。2018年に民設民営化され、2020年4月に医療法人として再出発を果たした。地域に密着した医療機関として、どのような医療を住民に提供していくのか。村田宣夫院長に病院の今後のあり方について話を聞いた。

─病院の特徴は。

 18の診療科で、地域に密着した医療を行う一般病院です。一般病床104床と地域包括ケア病床50床、療養病床94床があり、訪問看護や介護老人施設などの併設施設と連携し、急性期から慢性期まで関わります。

 「患者さんを中心に」という理念のもと、入院患者さんに対しては、患者支援センターのスタッフが早めに相談や退院後の調整に当たるようにしています。高齢化が進んだ地域ですので、特に入院などで生活レベルが落ちた独居の方やご夫婦だけの世帯がどんな場所でどのように生活していくのか、病院からもサポートをしていく必要があると思います。在宅療養後方病院でもありますので、地域のクリニックの先生方と連携をとりながら、急変などに対応できる体制を整えています。市内では、佐野厚生総合病院が2次救急を担っていますが、当院でも救急外来を設けており、可能な限り対応しています。

 佐野市には、市が運営するへき地診療所が4カ所ありますが、診療所勤務の医師が休暇を取得する際には、当院から代替の医師を派遣しています。当院はへき地医療拠点病院ですので、しっかりと支援していきたいと思っています。

─民設民営化での変化は。

 常勤医が20人程度の規模ですので、当院が対応できる部分に集中しようと考えています。診療科には、小児科や産婦人科、脳神経外科がありませんし、最先端の医療にすべて対応できるわけでもありません。当院で難しいと判断した場合は、佐野厚生総合病院、足利赤十字病院、獨協医科大学病院などに患者さんを紹介、移送しています。そのような連携を円滑に進めるためには、普段から関係性を築いておくことが大切ですので、大学から医師の派遣をしていただくなど、連携を強化しています。

 民設民営化に当たって、院内やホームページに患者さんが自由に意見を投稿できる仕組みをつくっています。病院スタッフからも、われわれが気付けないことに対して貴重な意見が寄せられることがあります。

 職員に繰り返し伝えているのは「患者さんに親切にしてほしい」ということ。医師は患者さんを治療することは義務だと捉えていますが、患者さんは治療を受けた時に、「いろいろ気遣ってくれた。この病院に来て良かった」というプラスアルファを求めていることを、医療者側は知っておいてほしいと思います。

 その上で、患者さんに優しく親切にする、気持ちが通じ合うよう努力し続けなければなりません。地域に密着した病院ではなおさら、このようなコミュニケーションの力が必要になってくるのではないでしょうか。

─今後の展望は。

 規模に応じた体制を考えていても、地域で必要とされる医療もあり、どこまで手を伸ばすかは悩むところです。例えば、循環器の患者さんは多いのですが、カテーテル治療などを積極的に行っていこうとすれば、医師の人員増が必要です。転倒による骨折も多いので、整形外科ももう少し充実させたいところです。消化器内科にも、注力していかねばならないでしょう。

 へき地医療に関わる業務基準を満たしたことにより、2021年4月には、社会医療法人として再々スタートを切る予定です。すべてに手を広げるわけではありませんが、どのような医療を提供していくのか、常に考えていきたいと考えています。

医療法人財団佐野メディカルセンター 佐野市民病院
栃木県佐野市田沼町1832―1
☎0283―62―5111(代表)
http://www.sanoshimin-hp.net/

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