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母子と高齢者を守る 強い思いが原動力

母子と高齢者を守る 強い思いが原動力

社会福祉法人賛育会 賛育会病院 鈴木 正明 院長(すずき・まさあき)
1976年順天堂大学医学部卒業、同産婦人科入局。
同講師、賛育会病院産婦人科部長などを経て、2012年から現職。
順天堂大学産婦人科客員教授。


 創立100年を超える賛育会の原点は「婦人と小児の保護、保健、救療」を目的に開設された無料相談所。キリスト教の精神に基づく隣人愛の精神は現在、「賛育会病院」の柱である「周産期・小児医療」「成人・老年期地域医療」「終末期医療」へと、しっかりと受け継がれている。

―特徴は。

 法人名「賛育会」の由来は中国の哲学書「中庸」にある「賛天地之化育」。貧困に苦しむ人々のお産、そして子どもの成長を助けるという思いを込めて名付けられました。

 ですから、現在でも周産期・小児医療は当院の重要な役割の一つです。産科では年間、墨田区、江戸川区、江東区、さらにその周辺エリアも含めて、1000~1200件ほどの分娩に対応しています。長い歴史を重ねており、また助産師も十分な人数がそろっています。これらが妊産婦さんの安心感につながっているのではないかと思います。

 また、当院は東京都の地域周産期母子医療センターに指定されています。(新生児集中治療室)、GCU(継続保育室)などの設備があり、ハイリスク妊産婦を受け入れています。当直の医師は常に産婦人科、小児科、内科、整形外科・外科の4人体制です。緊急の場合にもすぐに対応できる体制であることが強みです。院内での出産に限らず、開業医の先生方からの「新生児搬送」などのケースもあります。


―出産前後のサポート体制はいかがでしょうか。

 産後うつをはじめ、メンタル面の不調を主な要因とする妊産婦の自殺が社会問題化しています。背景としては、例えば自宅で赤ちゃんと2人きりになることが精神的な負担となったり、高齢出産であったりといったことが関係しているのではないかと指摘されています。

 東京都でも産後のケアに注力する方針を示す自治体も増えているようです。感染症の予防の観点でも、出産後にいったん退院した赤ちゃんをまたお預かりするのは難しいのです。母親の様子を見て心身の状態が安定しないようなら、少々入院期間を延長してもらうこともあります。


―今後のイメージは。

 周産期・、2次救急の中心を担う内科、そして股関節の手術件数を伸ばしつつある整形外科。当院の強みであるこれらを、どこまで底上げできるかが今後のテーマだと思います。

 例えば数年間、小児難聴の研究に取り組んでいた医師が当院の現場に戻りました。新生児聴覚スクリーニングをはじめ、今後の軸になると思います。また鼠径ヘルニア、停留精巣など、小児外科の症例数も増えていますので、こちらも伸ばしていけたらと考えています。
 この4月に、地域包括ケア病棟の運用もスタートしました。地域の方々から求められ、信頼される病院であり続けるために、これから欠かすことができない機能だと考えます。


大切にしていることを教えてください。

 小児科の医師の1人が子どもの相談外来を開設しています。発達障害や知的障害のあるお子さんに関する相談や、虐待などについてもアドバイスします。このように医療機関が専門的に設置している窓口は、実はあまり多くはないのです。

 マンパワーが不足している現状、なかなかすべてのニーズにお応えできていません。しかし、社会的に必要とされていることですから、私たちが継続することが責務だと捉えています。そうした使命感をもつ医師が多いことも、当院の原動力でしょう。

 2023年ごろを目指して新病院の建設計画なども進行しています。私たちは母子を守るための病院であり、そして高齢者に優しい病院でもある。そんな存在を目指しています。


社会福祉法人賛育会 賛育会病院
東京都墨田区太平3─20─2
☎03─3622─9191(代表)
https://www.san-ikukai.or.jp/sumida/hospital/

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