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次世代に対応できる病院づくりを目指す

次世代に対応できる病院づくりを目指す

地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター
太田 三徳 院長(おおた・みつのり)

1982年大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部講師、
国立病院機構近畿中央胸部疾患センター(現:近畿中央呼吸器センター)などを経て、
2015年から大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター(現:大阪はびきの医療センター)院長。

 大阪府の五つの府立病院の中で南河内医療圏の地域医療を担う大阪はびきの医療センター。このほど新病院建設事業が動きだした。プロジェクトが描く未来予想図とは。

—新病院建設準備が始まっています。

 計画では2020年に着工し、その3年後の2022年度中の竣工を目指しています。

 現状の建物は1970年代初頭に建てられましたので約50年が経ち老朽化も進行。もともと当院は結核療養所として始まり、約8.8㌶と大変広い敷地があることから、同じ敷地内での新病院建設が可能です。ただ、病院敷地内に池があったり、土地に高低差があったりするので、これを生かす工夫は必要です。

 病院を設計する上で最も重要視したのは、患者さんの動線です。現在は12階の高層で、検査や病棟間の移動にも階段やエレベーターが必須です。今後の高齢化を考慮し、移動が上下階にならないよう、高層という考え方を見直します。

 病棟から検査室へできるだけ上下への移動を少なくします。同時に外来患者さんも、ワンフロアで診察から検査まで完結するような構成にしようと考えています。

 また、呼吸機能の低下した患者さんと、感染症の患者さんとの動線が交差しないように工夫が必要です。

 次に重視したのは災害への備え。特に南海トラフ地震への考慮は必要であり、免震構造を考えています。

 災害でエレベーターや上下水道、電気などのライフラインが停止したときに、患者さんや物品の搬送対応を考えると高層では難しい。やはり低層の建物という選択が考えられるのではないでしょうか。

—特徴は。

 結核病床が約900床という時代もかつてはありましたが、患者数は減少しており、新病院では45床を計画しています。一方で、多剤耐性結核といった従来とは質の違う疾患もあり、府内の結核診療を担う役割は果たし続けます。

 呼吸器疾患については、高齢化に伴って、肺がんやCOPDなどの患者さんが増加しています。

 ただ、結核専門病院として、それに付随したさまざまな診療科が専門性を高めてきた結果、地域医療を支えられる病院になったのだと考えています。ニッチな部分と一般的な診療とのバランスを大事にしています。

 その特徴の一つが産科。かつては結核で入院している患者さんの出産のためであったのが、現在は地域に浸透し、年間約1000件の分娩数があります。少子化などの影響もあり周辺に分娩施設が少なくなっていることからも、重要な診療科です。ハイリスク分娩の増加に伴い新病院でもNICUを設けます。

 また小児から成人まで気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患に対する治療も特徴的です。近年、アレルギー疾患が急速に増加。内科、、小児科、眼科、耳鼻咽喉科がアレルギー疾患に専門的に取り組み、治療を行ってきました。2016年6月には、アレルギー疾患対策基本法に基づく「大阪府アレルギー疾患医療拠点病院」の指定を受けました。

—病院づくりについて。

 働き方改革や労働人口の減少を見据えて、職員にやさしい病院を目指す必要もあります。職員の負担を軽くする動線を検討します。

 また、地域の高齢患者さんへのきめ細かな対応がより求められます。例えば、白内障の手術は日帰りが主流のようですが、当院では地域に独居などが多く、入院を伴う手術の要望があり、柔軟に対応しています。

 当院としては何でも幅広くという診療ではなく、診療科の専門性を高めることで存在意義を示していきたいと考えます。40年後の医療を見据え、柔軟に転換できるようなハードにしておくことも必要でしょう。

地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター
大阪府羽曳野市はびきの3―7―1
☎072―957―2121(代表)
http://www.ra.opho.jp/

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