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機能のフル活用に向けて組織をさらに整えていく

機能のフル活用に向けて組織をさらに整えていく

鹿児島医療生活協同組合国分生協病院  院長(やました・よしひと)
1987年鹿児島大学医学部卒業。鹿児島生協病院、南大島診療所、
国立相模原病院(現:独立行政法人国立病院機構相模原病院)などを経て、2014年から現職。

 新病院の建設計画を託された山下義仁院長は2014年4月の就任以降、着々とプロジェクトを推進。2017年11月、国分駅から徒歩約10分の場所に開院した。設備や機能が強化され、移転を機に開始した取り組みもある。目指す組織の姿は。山下院長の思いを聞いた。

―移転後の状況はいかがでしょうか。

 129床の当院は、ここ霧島市において霧島市立医師会医療センターに次ぐ規模です。地域に根を張る「まちなか病院」であり、身近な急性期病院でありたい。その思いを中心に置いた医療を提供してきました。移転に当たって職員や組合員らが参加する会議を複数回開きました。さまざまな要望を集め、新病院の設備や機能のことを話し合ったのです。

 この会議がベースとなって具体化したことがあります。例えば救急患者への対応を強化しようと、救急室を旧病院の1室から2室に増やしました。ときに2台の救急車を同時に受け入れることがあり、1室で対応しなければならない状況をなんとかしなければ。そう感じていたからです。

 また、急性期や悪性疾患の正確で迅速な診断のためにМRIを導入しました。特に、超急性期脳梗塞の診断で力を発揮。肝胆膵領域の診断にも不可欠です。救急室に隣接してМRI検査室、CT検査室を配置したことで、移動時間の短縮化も実現しました。

―さまざまな取り組みが進んでいますね。

 近年、骨粗しょう症の患者さんや、その疑いがある方が増加しています。当院で新たに採用した「DEXA法」は、日本骨粗鬆症学会のガイドラインでも推奨されている検査方法です。その日のうちに検査結果をお伝えできますので、何度も足を運んでいただく必要はありません。

 虚血性心疾患や脳血管疾患、CОPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がんの1次予防を目的に禁煙外来を開設しました。2017年12月のスタートと共に病院の敷地内を全面禁煙化。患者さんや組合員の方々の意見を踏まえたもので、「快適に過ごせるようになった」との声もいただいています。

 消化器系、呼吸器系のがんを対象にした化学療法も始まりました。霧島市のがん患者さんたちは、治療を地域の外で受けている方も少なくありません。3床の「通院治療室」を設け、お住まいの近くで、かつ通院で化学療法を受けられる環境を整えました。1カ月当たりの紹介患者数、新規患者数も増加傾向です。こうした面からも、地域のみなさんの期待を実感しているところです。

―今後は。

 かねてから要望があった院内保育所も実現することができました。市内の保育所の数は限られていますので、多様な人材に安心して活躍してもらうためにも保育所は欠かせません。産休や育休などの仕組みも整え、より働きやすい職場を目指しています。移転当初は環境の変化などもあって、厳しいご意見をいただくこともありました。限られた人員で医療の質をどうやって維持していくか。そのための試行錯誤を重ねてきました。

 例えば一つの試みとして、3人の職員が「患者役」となって、受け付けから診察、採血、検査結果の説明まで、当院での一連の流れを体験しました。患者さんに対する案内の方法や待ち時間の短縮化など、さまざまな改善点が見えてきました。カルテの記入など医師の業務の一部を別の職員が担当したり、患者さんの待ち時間を「見て共有できる」よう掲示したりと、少しずつ工夫を取り入れています。

 拡張した血液浄化療法室など、まだ病院の機能をフルに活用できているわけではありません。しっかりした「器」が出来上がったのですから、最大限に生かせる組織づくりを進めます。

 
鹿児島県霧島市国分中央3─38─14
☎0995─45─4806(代表)
http://kokubu-seikyo.jp/


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