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「橋本式カテーテルロック」で患者さんの負担を軽減したい

「橋本式カテーテルロック」で患者さんの負担を軽減したい

医療法人
院長(はしもと・ただみち)
2001年東京医科大学医学部卒業。東京女子医科大学病院外科(第2外科学)、
和歌山県立医科大学外科学第2講座などを経て、2018年から現職。

 高齢社会の進行や人口減といった社会の変容は、地方都市の民間病院にとって、かつてない厳しい経営環境をもたらしている。和歌山市にある橋本病院は民間病院だからこそできる、きめ細かな医療の提供を運営戦略の一つに掲げる。

—院長就任から1年半です。

 祖父の忠徳が1952年に開設し、父の忠美が2代目、私が3代目の院長です。3人とも、消化器外科医ということもあり、当院は消化器の専門病院として地域に根付いてきました。

 2011年に長男である私が副院長として戻り、病院運営に携わってきました。ちょうど病院建物のリニューアル事業が始まっていた頃。人口減少が進む和歌山市で当院がどのような役割を担って、病院運営を進めていくのかを考えるタイミングでした。

 同じ頃、整形外科医の次男が当院に戻ることに。これまでの消化器外科と共に、整形外科を新たな運営の柱とする方針を立てることになったのです。

 これに伴いリニューアル事業には、リハビリテーション室の増築や手術室の増室なども加えました。がん診療の充実を図ろうとMRIやCTを導入しています。

 消化器外科と整形外科を中心に手術の症例数は増加しています。新たに加わった整形外科では、外傷を中心に膝関節や股関節の人工関節置換術、人工骨頭置換術、骨折観血的手術、関節鏡下半月板縫合術、内視鏡下椎間板摘出術(MED)など年間約300例を実施するまでになりました。

 当院には、大きな病院や慢性期病院にはない役割が求められています。コンパクトだけれど厳選された、そして絶対必要な医療サービスを提供する。生活に密着したコンビニのような役割を担っていきます。

—地域の病院との連携は。

 和歌山市内には和歌山県立医科大学附属病院や日本赤十字社和歌山医療センターがあります。それぞれの役割分担は、うまくいっていると思います。

 当院はがん治療への高度な医療も実施する一方で、比較的一般的な疾患への治療を実施しています。胆石や鼠径(そけい)ヘルニアなどの良性の疾患の手術の場合は、大学病院からの紹介もあります。

 がんの治療には、可能な限り私も関わるようにしています。最新の治療を提供するだけでなく、診断がついた後に、手術を実施するまでの時間をできるだけ短くする配慮もしています。主治医が最期まで診ることで、安心して受診できる、民間病院ならではのきめ細かい医療サービスを提供していきたいですね。

—抗がん剤治療について。

 抗がん剤治療においては皮下埋め込み型ポートと言われるCVポートを主に首元に埋め込む小手術が増加。年間120件ほど施行します。従来は腕への点滴が中心で、血管が収縮して針が入りにくく、患者さんにとってつらい治療になることがありました。

 しかしこの問題を解決するため近年はCVポートを取り入れる病院が増えています。CVポートは100円玉くらいの本体とチューブからなります。これらを鎖骨から胸の辺りの皮膚の下に留置しますが、細かい作業のため手技が難しい。特に本体を入れる際に手元から落ちることもあります。

 そこで試したのがカニを食べる時に身をほぐす金属のスプーン。形状が部品を入れる際にぴったりだったのです。そこからヒントを得て考案したのが「橋本式カテーテルロック」。学会などで発表し、問い合わせも頂いています。医療機器メーカーと試作品を作ってきましたが間もなく完成予定。特許申請の手続きも進めているところです。

 この「橋本式」を使うことで手術時間が短縮され、患者さんの負担も減ります。新たな技術の発信も当院ならではの強みになりそうです。

医療法人 橋本病院
和歌山市堀止南ノ丁4―31
☎073―426―3388(代表)
http://hashimoto-hp.or.jp/

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