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未来の地域医療を切り開くためのつなぎ役でありたい

未来の地域医療を切り開くためのつなぎ役でありたい

医療法人相生会 にしくまもと病院
病院長(やまぐち・こうじ)

1992年宮崎医科大学(現:宮崎大学医学部)卒業。
熊本大学医学部附属病院(現:熊本大学病院)、
人吉総合病院(現:人吉医療センター)、
宇賀岳病院(現:宇城総合病院)などを経て、
2009年にしくまもと病院勤務。2019年4月から現職。

 創立30周年の節目となる2019年4月、病院長に就任した。学生時代に打ち込んだラグビーを通して培った精神は、これからの地域医療に欠かせない「チーム医療」の原動力ともなる。「自分はつなぎ役に徹したい」。そう語る山口浩司氏の目線は、常に未来に向けられている。

もっと求められる「ハブ」を目指す

 急性期治療後の患者を受け入れ、在宅復帰に向けたリハビリテーションに注力。慢性期の疾患に対しては関節外科センターによる人工関節置換術など、高度な医療も提供する。

 臨床薬理センターや健診センター、サービス付き高齢者向け住宅「ホスピタウンハウス」なども運営。急性期病院と診療所をつなぐ「ハブ」として重要な役割を担い、地域の信頼を積み上げてきた。

 今年4月に就任した山口病院長は「患者さん一人一人の症例や生活に寄り添った質の高いケアを実現したい」。穏やかな口調の中に強い意志をのぞかせる。

 バブル崩壊後、日本が低迷ムードに包まれた時代に医師となった。「とにかく技量を身に付けたい。何でも診ることができる医師になりたい」と考え、一心不乱に技術を磨いた。

 整形外科医としての専門性が高まっていく中で、医療の難しさも知った。「病を診る前に人を診る。その意識をもつ大切さと向き合うようになりました」と振り返る。

 にしくまもと病院の開設は1988年。30年の歴史の中で、経営難による存続の危機も経験した。地域に信頼される病院に立て直そうと、前院長の林茂氏(現:名誉院長)が中心となって、リハビリテーションなどを基盤とした生活に密着した医療を展開。地域住民を病院に招いてイベントを実施するなど、地域とのつながりを強めていった。

 バトンを受け継いだ山口病院長は、地域医療のハブ機能、医療の質の向上に引き続き取り組みつつ、さらに「求められる病院にしていきたい」と語る。

個性を生かして点を取りに行く!

 キャリアアップにはげむ職員のサポートや適正な評価などを強化しようと研修システムを見直した。脳血管疾患、胸痛、神経まひといった多様な疾患に関する講座、若手、中間管理職などポジション別のキャリア開発、災害や院内感染などのリスク管理。技術の習得のみならず、豊かな知識、倫理観を備えた次代のリーダー育成に情熱を注ぐ。

 「チーム医療の強化」も大きなテーマだ。医師、看護師、セラピスト、栄養士、検査技師、事務。さまざまなポジションのスタッフが集まって「骨粗しょう症チーム」「糖尿病チーム」「栄養サポートチーム」などが活動中だ。

 学生時代に打ち込んだのはラグビー。多忙な勤務の合間を縫って、先日は学生時代のチームメートと共にラグビーワールドカップ「フランス対トンガ」戦と、他2試合の弾丸観戦ツアーを決行した。

 月に一度の朝礼でラグビーにちなんだ話を披露するなど、今もラガーマンとしての熱い気持ちを持つ。

 「ラグビーは体が大きい人、小さくて足の速い人などが力を合わせて、それぞれの個性を生かしながら得点を取りに行く。チーム医療もそれと同じです。『One for All, All for One』の精神で、一つの目的に向かって進むチームだと意識してほしい」

 では、自身の役割とは何か。「僕の役割はつなぐこと」と山口病院長。

 疾患の有無にかかわらず子どもから高齢者までが共に安心して暮らせるまち「熊本ホスピタウン」。にしくまもと病院がかねてから掲げる構想を前進させる。

 「現在の体制をより良いものにして、地域医療の未来を担う若い医師たちに受け継ぎたい。そのためにも技術面、学術面で成長できる環境をしっかり整えたいですね」

医療法人相生会 にしくまもと病院
熊本市南区富合町古閑1012 ☎️096―358―1118(代表)
https://www.nishikuma.com/

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