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最高水準の診療の提供 世界をリードする研究を

最高水準の診療の提供  世界をリードする研究を

北海道大学大学院医学研究院 機能再生医学分野 整形外科学教室
岩崎 倫政 教授(いわさき・のりまさ)

1988年旭川医科大学医学部卒業、北海道大学医学部整形外科入局。
米ジョンズ・ホプキンス大学整形外科、
北海道大学大学院医学研究科機能再生医学分野整形外科学教室准教授などを経て、
2012年から現職。

 前身の外科学第三講座を含めると2020年で開講95年を迎えた北海道大学大学院医学研究院機能再生医学分野整形外科学教室。長い歴史を持つ同講座を率いる岩崎倫政教授に、最近の研究実績、目指す方向性、講座の将来像を聞いた。

―研究開発を活発に行っています。

 上肢グループでは、リウマチの新しい治療法として人工手関節の開発に成功しました。薬事承認を取得した人工手関節は、われわれが初めてです。

 当講座が蓄積してきた生体力学的研究のレベルを物語ると同時に、大学発の医療機器開発という点でも意義深いものと考えています。

 脊柱グループにも注目すべき動きがあります。ヘルニア摘出後の空洞部分にバイオマテリアル(生体材料)を充塡(じゅうてん)する椎間板治療の開発です。

 従来の治療法は空洞部分の組織再生が進まず、再発リスクが指摘されてきました。企業と共同で開発したバイオマテリアルを埋め込み、組織再生を誘導することによって、再発リスクの低下を目指します。この治療法のメリットは、自分の細胞を培養する再生医療と比較して極めてコストが低いこと、手術も1回で済むなどの低侵襲性にあります。

 このほか運動器再生医学、分子レベルの運動器疾患の病態解明などの研究を精力的に行っています。

―目指している研究体制について。

 全世界の新型コロナウイルス感染症の感染者情報のいち早い収集公開などで、一般の人も広く名を知ることになった米国ジョンズ・ホプキンス大学に、私は1994年から1年半、留学した経験があります。映画「ジュラシック・パーク」などのCG制作に使用されたのと同レベルのコンピューターによる3次元シミュレーションを用いた研究は、とても刺激的でした。

 また、臨床に詳しい研究専門家によって構成される基礎研究グループと、基礎研究に対する理解が深い医師で構成される臨床グループが協力し、医療を進める姿も印象的でした。当講座はこのスタイルに、限りなく近づくことを目指しています。基礎グループと臨床グループの距離を近づけ、それぞれの動きに即応できる体制を整えながら、基礎研究の成果を臨床の現場に具現化することを目指しています。

―講座の将来像について教えてください。

 当講座は大学病院の一つの診療科であり、大学院医学研究院の一つの研究科です。われわれが目指すべきものは、大学病院が掲げる最高水準の診療の提供、大学院医学研究院の目標である世界をリードする研究、という二つのミッションの達成です。

 これを果たすためには、若い医師を育てなければなりません。育成は当講座と教室の関連病院が連携して行うことを原則としています。

 新型コロナの影響で、テレビ会議が当たり前になったように、仕事や生活のスタイルが変化しました。広大な北海道ではITを活用した遠隔医療や遠隔教育が不可欠になったと考えています。

 すでに遠隔地の関連病院では、システムの構築に取り組むのと並行して、整形外科医療に志のある若い医師を、一人でも多く募ることに力を注いでいます。幸いここ数年、連続して20人近い入局者があり、非常に活性化しています。今後は国内のみならず、海外からも志ある医師・研究者が多く集う講座にすることを目標にしています。

 北海道の開発は、海外の優れた研究者や技術者を多く迎え入れ、その助言やサポートにより進められた歴史を持ちます。当講座も扉を大きく開き、世界の医療をリードする講座に発展することを目指します。

北海道大学大学院医学研究院 機能再生医学分野 整形外科学教室
札幌市北区北15条西7
☎011―716―1161(代表)
https://www.hokudaiseikei.jp/

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