九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

最善の医療を提供するために

最善の医療を提供するために

独立行政法人国立病院機構 姫路医療センター
河村 哲治 院長(かわむら・てつじ)
1987年京都大学医学部卒業。同胸部疾患研究所第1内科、
1988年国立姫路病院(現:姫路医療センター)入職、姫路医療センター
呼吸器内科医長兼臨床研究部長、同副院長などを経て、2021年から現職。



◎がん医療を中心に

 当地域は、医学部・大学病院が存在せず、人口に見合った医療資源があるとは思えません。基幹病院の多くは神戸大学・岡山大学などやや遠方からの派遣に依存しており、当院も歴史的に京都大学と神戸大学を母体としていました。しかし、近年は医局にこだわらない就職希望者も増えています。今後もがん医療を中心に、がん・非がんにかかわらず的確な診断、適切な治療をモットーとし、患者さんが受診しやすい病院を目指したいと思います。

 高度な医療も大切ですが、ありふれた病気に標準的な治療を行うことも非常に重要です。出身大学や所属学会で培った技能を一般病院で発揮することでこの地域の医療レベルを底上げし、大都会に行かずとも最新の医療を受けていただきたい。そしてそこから、次世代の医療従事者を育成できるとも信じています。

 医師には、開業医あるいは近隣の病院からの紹介に丁寧に応え、救急要請には素早く応じる姿勢を求めていきます。そのためには全職種の協力体制が重要であり、ストレスを抱えがちなコロナ禍の中で、お互いをいたわり合う横のつながりを大切にしたいと思います。


◎働き方改革と病院運営

 タスクシフトをにらみ、特定看護師の育成に着手しました。特に手術室やICU関連で早急に養成する必要があり、実現に向けて看護部と協力していこうと思います。

 当直明けの勤務、特に外来や手術のコントロールが必要ですが、常勤医が少ない科では困難になります。今後、副業・兼業が勤務元の労働時間に合算されることから、他院からの応援が得られにくくなることを危惧しており、常勤医の確保が重要と認識しています。

 超過勤務に関しては、地道な指導で減少傾向とはいえ、まだまだ不十分です。勤務時間外の患者さんへの説明は、ポスター掲示などを通じて制限をかけています。「働き方改革」は、「医療従事者の意識改革」と「患者の意識改革」からなり、「医療安全」との両立が重要です。微妙なバランスを要求されることに留意したいと思います。


◎コロナ禍の職員をケア

 当院は伝統的に呼吸器領域および消化器領域で多くの実績を上げており、それぞれの内科・外科がシームレスに機能している点がセールスポイントです。近い将来、すぐ近くに救急医療の巨大な総合病院が開院するのですが、当院では、呼吸器領域や消化器領域でこれまで培ってきたがん医療を引き続き行っていくつもりです。もちろんそれ以外にも重要な診療科が多数存在し、先生方が力の限り頑張っています。これからも他の医療機関からの紹介を大切にしながら、コミュニケーション重視の医療を目指していきたいと思います。

 研修医や専攻医の教育を含めた医師の人材確保も重要で、学会活動を中心に当院の魅力をアピールしていくつもりです。もちろん病院運営は医師だけで成立せず、看護師・薬剤師をはじめメディカルスタッフの働きやすい院内環境を構築していきます。また地域医療への貢献だけでなく、個人の学問的欲求を満たすことも重要です。学会参加や論文作成、臨床研究など幅広くサポートしていきたいと思います。

 コロナ禍により「Faceto f ace」の関係が築きにくくなりました。差し当たり新人の顔が分からずとても苦労しています。マスク生活から解放されるには今しばらくかかりそうですが、当面は医療情報の共有を誠実に行い、良好な関係が途切れないよう努力する所存です。

 アフターコロナで患者数が回復するのか、検診活動が回復し早期がんの発見が以前の水準に戻るのか、誰にも分かりません。一方で、コロナ禍で医療従事者のストレス増加とモチベーションの低下は深刻な問題であり、職員のメンタルサポートに留意していきます。

独立行政法人国立病院機構 姫路医療センター
兵庫県姫路市本町68 ☎079-225-3211(代表)
https://himeji.hosp.go.jp/

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