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最先端の研究・治療で東北の高度医療を担う

最先端の研究・治療で東北の高度医療を担う

東北大学大学院医学系研究科 麻酔科学・周術期医学分野
教授(やまうち・まさのり)

1991年札幌医科大学医学部卒業。
米エール大学留学、札幌医科大学医学部麻酔科学講座准教授などを経て、
2013年から現職。

 東北大学医学部麻酔科学講座は1953年の設立以降、東北のみならず日本の麻酔科学の最先端を走り続けてきた。2013年から教授を務める山内正憲氏は、周術期の高度な全身管理に加えて、集中治療(ICU)、ペインクリニック、さらに研究・教育面でも先進的な視野で運営に当たっている。

―臨床面での特徴は。

 大学病院では、高度先端的な手術に対応した麻酔を提供しています。具体的には臓器移植、人工心臓、食道がんなど、複数の科が関わる高度な手術において、先進的な麻酔の実践を心掛けています。また、ICUや術後早期回復も麻酔科の仕事の一つ。出産後の妊婦さんや集中治療室でリハビリを行う患者さんなどに対して、適切に痛みを取って行動範囲を広げるサポートもしています。

 その一方で、関連施設では高度な麻酔に特化せず、最新かつ安定感のある医療にも対応しています。この幅広さが臨床面での大きな特徴ですね。

―ペインクリニックも開設されています。

 ここでは帯状疱疹やヘルニアなどの疾患、術後に長い期間の痛みを抱えている患者さんなどを対象に、安定して動けるような診療を行っています。われわれとしては、最終的に患者さん自身が痛みとの付き合い方を覚えて、病院から離脱し、日常のサイクルに戻ることが理想です。そのため、身体的な治療のほか、精神的な治療も提供しています。

 また、神経ブロックによる凍結肩(五十肩)の治療にも取り組んでいます。痛みがある部分の神経をピンポイントでブロックすることで、患者さんはストレッチや運動ができるようになり、効果的なリハビリやトレーニングをすることが可能になります。いわば、「スポーツペインクリニック」とも命名できるような、運動時の痛みに対する治療に、今後も力を入れていきたいと考えています。

―研究や教育について。

 基本的な方針として、患者さんに寄与する研究、国や企業に認められるような研究を重視しています。若いスタッフたちは自らの独創的なアイデアを元に、腰を据えて研究に励んでいるところです。その成果もあり、多くの研究費を獲得することができています。

 研究領域はバランスよく多岐にわたりますが、特徴的なものにデータ研究があります。例えば医療経済のように医療にまつわる各費用に対し、データ科学や労働環境などの観点から妥当性を証明し、私たちの仕事の効率化や適正なバランスを図ることが目的です。現在、この研究テーマは各分野で注目されています。

 教育面では、スタッフに対して「個人プレイに走らないように」と話しています。例えば、研究面であれば一人勝ちを目指すのではなく、連携やサポートをしながら進め、診療面では、自らの判断を論理的かつ客観的に評価できることが重要です。

 加えて、「人間とは何か」も常に考えてほしい。医局の仲間、看護師、患者さんなど、周辺の人々の性格や感情を把握しながら、とにかく独りよがりな行動はしないことが大切だと思います。

―今後の展望は。

 国際的に認められる先進的な臨床や研究に励みたいと考えています。同時に、世の中の2歩先を行く教育システムをつくりたい。現在、新型コロナウイルスの影響により遠隔教育が一気に普及しましたが、実は当教室では以前から導入していました。今後も常にトップランナーであり続けたいと願い、新しいものに取り組みたいですね。

 現在、麻酔科プログラムには約150人のスタッフがおり、お互いが密に連携しながら活動しています。これからも個々が高いモチベーションを保ち、組織でもいい仕事をして、最高・最先端を目指します。

東北大学大学院医学系研究科 麻酔科学・周術期医学分野
仙台市青葉区星陵町2―1
☎022―717―7000(代表)
http://www.anes.med.tohoku.ac.jp/

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