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時代や地域のニードに応え多職種によるチーム医療を

時代や地域のニードに応え多職種によるチーム医療を

医療法人共和会 小倉リハビリテーション病院
院長(うめづ・ゆういち)
1986年産業医科大学医学部卒業。
同大学病院リハビリテーション科講師、久留米大学医学部整形外科学講座助教授、
小倉リハビリテーション病院副院長などを経て、2013年から現職。

 福岡県北九州市にある小倉リハビリテーション病院は、10人のリハビリテーション科専門医が中心となり、地域に密着した医療を提供している。自身も専門医である梅津祐一院長に、リハビリテーション医療の役割や、地域との関わりなどについて話を聞いた。

―リハビリテーション医療と専門医の役割について。

 時代や社会などの変化に応じて、リハビリテーション医療の役割は大きく変わってきたと感じています。

 私の母校である産業医科大学は、1978年の開学時からリハビリテーション医学講座を設けていました。当初、ここでは主に労働に起因する運動器障害を扱っていましたが、私が卒業する1986年ごろには障害を持った後の労働の仕方や、復職するためのリハビリテーションに主眼が置かれ始めました。その後、1996年にはリハビリテーション科の標榜(ひょうぼう)が認可され、近年は超高齢社会に対応するために介護予防という観点が重視されています。

 このように、社会的ニードに即して考え方を柔軟に変えつつ、疾病やけがなどによる障害の克服に取り組むのがリハビリテーション医療の特徴。その中心を担うのが専門医の役割だと考えています。

―リハビリテーションにはチーム医療も重要です。

 リハビリテーション医療は患者さんの病気を診断して治療するだけでなく、障害に対して多角的なアプローチが必要です。

 さまざまな職種で一つのチームをつくり、おのおのの専門性を発揮することが不可欠です。看護師、介護福祉士、PT、OT、STはもちろん、最近では栄養障害に対応する管理栄養士や、口腔衛生に対応する歯科衛生士の役割も大きくなっています。チーム医療を円滑に進める上では、彼らが互いを理解し合い、チーム内での仕事をしっかり把握し、専門医がチーム全体をマネジメントする体制が理想的だと思います。

 さらに、チーム医療では各職種の専門性が重なる部分を増やすことも重要です。例えば、基本的にPTは患者さんが立つこと、歩くことなどをサポートする仕事ですが、同時に栄養管理の面でも大切な役割があります。この程度の運動をさせるには、どの程度の栄養やエネルギーが必要なのか、という視点です。各スタッフがこうした考え方を深めることで、チーム力はさらに向上するでしょう。

―地域との関係性は。

 運動系の障害、認知機能の問題、嚥下(えんげ)機能の問題などを抱えた患者さんが、地域で当たり前に暮らすことを目標にしています。そのためには、地域での支えに加え、行政の支え、家族の支えなど、全ての支援においてリハビリテーション医療が携わっていく必要性があります。

 当院は、北九州市の介護事業にも積極的に参画しているほか、認知症を広く知ってもらうための啓発活動や、小学校での車いす体験なども行っています。

 これらの取り組みによって、各障害に対する認識の土台を地域全体につくることは、リハビリテーションの成果を生かすためにも大切なことです。

―今後の展望は。

 リハビリテーション医療全体としては、専門医がもう少し増えてほしい。現在、回復期リハビリテーション分野で働く医師の中には、約2割しか専門医がいません。また、急性期の病院でもリハビリテーションの重要性は増しており、専門医が果たすべき役割や、活躍できる領域は年々広がっています。こうした現状を知って、リハビリテーション科専門医を目指す人が増えることを期待したいですね。

 個人的には、患者さんに心から感謝される、職員が褒められる機会をさらに増やしたい。そのためにも病院の質、各職員の質を高めて、地域のニードに応え続けたいと思います。


福岡県北九州市小倉北区篠崎1―5―1
☎093―581―0668(代表)
https://www.kyouwakai.net/

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