九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

旭川医科大学病院 病院長 古川 博之

 新年あけましておめでとうございます。2020年となり、令和最初の新年、気持ちを新たに臨まれている方も多いものと思います。

 旭川医科大学病院は北海道の真ん中に位置する600床の国立大学病院ですが、手術数が約8000件と1床あたりの手術数が国立大学の中では最も多いのが特徴です。しかしながら、現状の11の手術室でこれ以上の件数をこなすのは限界と考えており、さらなる手術室の確保が喫緊の課題となっております。

 新しいビジョンとして考えているのが、国際医療支援センターの創設です。名前のごとく、本来は、海外からの医師や看護師の研修目的としており、民間の資金を活用するPPP(Private Public Partnership)事業としても注目されています。血管造影装置やCT装置を組み合わせたハイブリッド手術室に加えICUも増設予定です。これによって、心臓血管や脳血管に対する高度な手術が可能になります。

 患者の確保につきましても、地域への貢献はもちろんですが、昨今の人口減少に鑑み、海外からの医療ツーリズム患者に目を向けており、2019年11月にはジャパンインターナショナルホスピタルズ(JIH)の推奨が認証されました。昨年から中国・ロシアからの患者を独自で受け入れており、さらなる患者の増加が期待されます。

 手術を増加するために外科医の増員も必要ですが、北海道も全国と同様、外科医の減少が著しい現状があります。当院では、2015年に第1外科と第2外科を統合し、2016年には、AMUSE(旭川医科大学外科学講座教育支援機構)として社団法人化して、潤沢な予算を元に、学生・研修医のリクルートや学会参加を促し、若手外科医の学会参加や論文作成を支援し、外科全体として共通の話題を提供するGrand Roundsなど新しい形の外科プロフェッショナル集団を目指してきました。この活動を通して、毎年6~9人の学生・研修医が外科医を目指すようになり将来が期待できます。このように、人口減少が進んでも、患者の数を増やし外科医の数を確保することで、この先も高度な医療を提供し大学病院としての使命を果たしていく覚悟です。

 今年は東京オリンピックの年であり、1964年の東京オリンピックを経験した世代としては感慨深いものがありますが、一方で1965年は戦後初めての赤字国債がオリンピック不況のために発行されたことを考えると、昨年のようなタイミングで消費増税を行う政府の気が知れません。

 本年は病院にとって厳しい年になると気を引き締めているところです。皆さまにとって本年が良き年であることを祈念しております。

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