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日本集中治療医学会 第4回中国・四国支部学術集会

日本集中治療医学会  第4回中国・四国支部学術集会

 ICUの運営がテーマの「 第4回中国・四国支部学術集会」が4月11日(土)に米子コンベンションセンターで、同時開催として集中治療セミナーが12日(日)に鳥取大学で開かれる。会長を務める南ゆかり氏にテーマに込めた思いや、どのような議論を期待するのかを聞く。

会長 南 ゆかり 氏
(鳥取大学医学部附属病院 高次集中治療部部長)

多職種でICU運営のあり方を探る

 集中治療の領域はガイドラインが整い、医学的なエビデンスもしっかり構築されてきたように思います。ただ、多職種で働くことが基本の現場において、どのように運営されているのか、病院によっての違いが大きいと思います。日本集中治療医学会は医師だけでなく、看護師や理学療法士、薬剤師、臨床工学技士などの、メディカルスタッフも正会員です。働き方改革やタスクシフトが叫ばれる中、各病院でどのような工夫をしているのか共有したい。そんな思いでテーマを「ICU運営を考える」と設定しました。

 ICUは主治医主導の「オープンICU」と集中治療医が一元管理する「クローズドICU」があります。当院も含めてセミクローズドが最も多いのが現状。当院で言えば、18床のうち6床はクローズドで12床はオープンです。

 だからこそ、主治医チームとICUチームの意思疎通の図り方や業務のすみ分けなど難しい問題や悩みも多いはずです。具体的な事例や本音が集まる場所になればと思っています。

看護はACPと身体抑制がテーマ

 4月11日の「日本集中治療医学会 第4回中国・四国支部学術集会」はシンポジウム、講演など座学が中心になります。看護についてはアドバンス・ケア・プランニング(ACP)と 身体抑制の二つのテーマを用意しています。ACPは、終末期におけるケアについて患者さんが事前に考え、チームと話し合って共有する取り組みのことで、最近の看護界のトピックスの一つ。今回は学会の理事でもある京都大学の宇都宮明美先生に講演していただきます。

 もう一つは「身体抑制ゼロを目指す」というテーマで、身体抑制をしない看護について考えます。身体抑制は「人権侵害である」と認識されながらも、患者さんの安全を守るという大義名分でずっと行われていました。しかし、意識改革によって安易な身体抑制に頼らない看護が実現できるようになったのです。それらの取り組みについて、共有できればと思っています。

 ランチョンセミナーでは大阪大学の吉田健史先生に人工呼吸の話をしていただきます。人工呼吸による肺の傷み、傷害肺について研究されている方で、面白いお話が聞けると期待しています。また、臨床工学技士や薬剤師、リハビリ関連のシンポジウムをそろえています。

次世代が考えていくために

 12日の集中治療セミナーでは、翌日の臨床から役立つような、すぐに使える技術や知識をお伝えできるはずです。

 リフレッシャーセミナーでは、統計学の研究者の新谷歩先生をお招きします。先日も鳥取大学で講演いただいたのですが、難しい数式などなくユニークなお話でした。

 腹部コンパートメント症候群(ACS)については豊岡病院の小林誠人先生にお願いしています。ECMO(次世代型心肺補助)や小児集中医療について、知識の整理やアップデートになると思います。

 今回、「ICU運営を考える」というテーマですので、次世代を担う中堅や若手の医師に現在の問題点と今後の課題を考えてもらう、気付きの場になればという願いがあります。さらに期待するのは、中国・四国の皆さんのコミュニケーションの場になればということです。土曜のシンポジウムが終わったら、ぜひ米子で語らう時間を持っていただけたらと願っています。

学会の主なプログラム(予定)

●特別講演 「臨床医が科学的な目をもつために ─ARDSの人工呼吸管理を再考する─」
時岡 宏明 氏(朝日医療大学校) 午前11時10分〜正午

●看護師教育講演 「集中治療におけるEOL」
宇都宮 明美 氏(京都大学医学部附属病院) 午前10時〜同11時

●シンポジウム 「ICU運営を考える」 午後2時40分〜同4時

会期:4月11日(土) ※集中治療セミナーは4月12日(日)
会場:米子コンベンションセンター 
運営事務局:キョードープラス jsicm-cs4@wjcs.jp
学会HP:http://www.convention-w.jp/jsicm-cs4/

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