日本病院会 会長  相澤 孝夫

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 あけましておめでとうございます。2020年は十二支で「子年(ねどし)」、十干では「庚子(かのえ・ね)」です。庚子は変化が生まれ、新たな生命がきざし始める状態で、新しいことにチャレンジするのに適した年と言えます。

 わが国では、急速な人口減少と75歳以上の高齢者人口の持続的増加という人口構造の変化が顕在化する2022年以降を想定し、新たな医療提供体制の構築が急がれています。時間をかけて構築された今の体制を、人口構造の変化で生じた傷病構造の変化に見合う形に変えるには時間が必要ですが、わが国には、残された時間がありません。

 人口の減少と構造変化には地域差があり、全国一律の対処は困難です。人口と人口構造を基に新たな地理的範囲を設定し、地域の医療需要の量と中身を明確にすることが必要です。これによって医師数の考え方や、病院単独では解決困難な「医師の働き方改革」の進め方も大きく変わってきます。

 国は、地域医療構想区域を入院医療体制構築の地理的範囲として、2025年の機能別必要病床数を算出し、新たな医療提供体制を構築しようとしています。しかし、この手法に論理的妥当性はないため、地域医療構想調整会議で議論が進まないのは当然です。

 どのような病態の患者がどのような病院のどの種別の病棟で入院するのが望ましいかを考え、地域住民のための入院医療をいかに構築するかを検討するためには、地域の医療需要の量と中身に加え、各病院の入院機能が見えるデータが必要です。

 また、傷病別患者のデータを集めることで、当該地域の入院必要患者像を明確にし、地域として入院医療提供体制をどう構築するか、医療の質を担保しながら医療の継続性を経済的に保つためにどうすることが望ましいか、そして当該地域だけで可能なのかなどを、官民や病院の経営母体に関係なく地域一体となって考えることが重要です。

 これまでのやり方を続けていても混乱と対立が起こるばかりです。庚子の2020年こそ、思い切った発想転換でわが国の医療の未来を切り開いていくことが必要です。

 国は、高齢者が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを可能な限り続けられるよう「住まい・医療・介護・予防・生活支援」を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を目指しています。ここで言う「地域」とは地域コミュニティーであり、コミュニティーの特性に応じたシステムづくりが求められています。

 これらを実行することはそう簡単ではありませんが、庚子の年だからこそ情熱と覚悟をもって臨み、新たな未来を開く一歩を踏み出すつもりです。皆さまのご支援ご協力をよろしくお願いします。

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