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施設、人材、経営の三本柱で、さらなる改革を推進

施設、人材、経営の三本柱で、さらなる改革を推進

 桐野 髙明 理事長(きりの・たかあき)
1972年東京大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経外科学教授、
東京大学理事・副学長、国立国際医療センター総長、
独立行政法人国立病院機構理事長などを経て、2018年から現職。

 180年以上の歴史を持ち、佐賀大学医学部附属病院と並んで、佐賀県内の急性期医療を担っている佐賀県医療センター好生館。昨年4月に就任した桐野髙明理事長が語る、好生館が抱える課題、そして理事長として、2年目となるこれからの展望とは。

―好生館の佐賀県における役割とは。

 好生館は、佐賀県の大きな病院の中で、最も古い歴史がある病院です。佐賀県は五つの医療圏に分かれていますが、その中で中部から南部を含む広域を佐賀大学医学部附属病院と好生館が担っています。

 急性の疾患においては特にその役割は大きく、病診連携も進んでおり、初診患者の紹介率は90%。逆紹介率に至っては120%。今後は、佐賀県の急性期基幹病院として存在感をより高めるために、「日本トップクラスの病診連携を目指す」といった、具体的なスローガンを立てていきたいと考えています。


―理事長に就任されて1年になります。

 私自身は佐賀県唐津市の出身。東京大学に進学した後、ずっと東京でしたが、2018年、故郷でもある佐賀の好生館の理事長に就任しました。地域医療にはいろいろな課題があると、今、実感しているところです。

 好生館は、これまで患者権利の尊重、医療安全、病院の役割分担などさまざまな改革努力を行ってきました。ところが一昨年の4月、佐賀労働基準監督署から医師、職員すべてに対して時間外労働の把握が、適切に行われていないという是正勧告を受けました。未払いの時間外労働分に対し、過去2年間遡及して支給。それ以来、さまざまなシステムを見直し、できる限りの改善を行っていますが、夜働かないわけにはいかないので、特に医師の労働時間の考え方の難しさを実感しています。


―2年目からの課題は何でしょうか。

 第一に施設。建物は新しくて大きいのですが、使い勝手が良くない部分が多い。例えば災害拠点病院になっていますが、災害が起きた場合に必要な広いスペースがありません。また医療スタッフを増員しても部屋がなく、駐車場も不足しています。患者の権利の尊重や医療の安全をうたっても、病院で働く人たちの権利の尊重や健康を後回しにしては意味がありません。これらの改善については、いくつか提案をしているところです。

 第二に人材育成。ここには医師が170〜180人、そのうち常勤の専門医が120人ほど在籍しています。数としては確かに多いのですが、決して全部の診療科で十分とは言えず、診療科偏在の影響を強く受けています。いくつかの診療科では医師の負担が重く、大変な努力を強いられている状況です。そのために、医師の活動をサポートする医療秘書やMSWといった医療人の養成が必要だと考えています。

 来年度からは、県立総合看護学院が好生館へ移管されます。看護師の数は現在500人ほどで、ある程度は確保できています。ただ実は人材が足りない職種は複数あります。例えば給食部門であれば、管理栄養士はいますが、調理を担う人が不足。将来、給食が出ないという事態にもなりかねない状況です。医師や看護師以外のスタッフの人材不足も楽観できなくなっています。

 第三に経営の改善。昨年の春ごろに救急の医師の数が減った影響もあり、今のところ赤字が見込まれています。理事長は、病院を黒字で持続力を持って運営することが役割ですから、そういう意味では責任を感じています。

 そのためにも病院の活性化を推進し、まずは気持ちよく働いてもらうようにする。1年目では大きなことはできませんでしたが、2年目からは経営改善が私の役割の一つです。適正な給与の支払い、それに伴う諸経費のコストダウンなど、この病院が持続できるよう努力したいと思っています。


地方独立行政法人 佐賀県医療センター好生館
佐賀市嘉瀬町中原400
☎0952―24―2171(代表)
http://www.koseikan.jp/

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