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新薬登場で治療が劇的変化 専門医の幅広い輩出が目標

新薬登場で治療が劇的変化 専門医の幅広い輩出が目標

 膠原病・リウマチ内科
准教授(ただ・よしふみ)

1985年九州大学医学部卒業。九州大学医学部第1内科、宗像医師会病院内科、
カナダ・オンタリオ癌研究所・アムジェン研究所、
佐賀医科大学医学部(現:佐賀大学医学部)内科講師などを経て、2012年から現職。

 以前はステロイドによる治療が一般的だったリウマチや膠原病(こうげんびょう)は、医療研究の急速な進展により、より効果的な治療法が登場している。この分野で業績を重ねている佐賀大学医学部膠原病・リウマチ内科の多田芳史准教授を訪ね、教室の特徴や治療の現状、将来の展望について聞いた。

—教室の特徴は。

 佐賀大学医学部は他科の研究者、医療者との連携が盛んです。私たちの教室でも現在、学内の整形外科や皮膚科、眼科の教室と共同でカンファレンスを行っています。

 例えば、整形外科とは関節炎について、皮膚科とは膠原病の新患に関してカンファレンスを実施。ぶどう膜炎が膠原病と深い関連性がある眼科とはぶどう膜炎カンファレンスをしています。皮膚科とは乾癬(かんせん)性関節炎をテーマに共同で臨床研究を行い、研究発表もするようになりました。

 患者さんは佐賀県のほぼ全域からお越しになります。圧倒的に多いのは関節リウマチの患者さんです。

 関節リウマチに対する治療といえば、私が若いころは、ほとんどがステロイド剤の投与。しかし最近は、新しい生物学的製剤が出てきて治療法が劇的に変わってきています。同じように膠原病や乾癬といった疾患でも新しい薬の登場で治療が変化しています。

—現状の課題は。

 もともと患者さんの数が少ないことも理由ですが、リウマチや膠原病を専門とする医師が少ないことですね。佐賀市ではこの大学や佐賀県医療センター好生館に専門医がいますが、特に佐賀県西部や南部に専門医を送り出せるようにしなければなりません。そのためにも若いドクターにこの病気に興味を持ってもらう必要があります。

 医学部で学ぶ疾患の多くは特定の臓器を対象にしたものです。しかし、リウマチや膠原病は全身のどこに症状が現れるか分かりません。症状が出た部位だけでなく、全身を診て、きちんと診察をして診断を出すことが大切ですし、教育研究の難しさがあります。

 また、今はまだ簡単に根治できる病気ではなく、治療は長期戦です。患者さんとは長い付き合いになりますので、根気やコミュニケーション力も求められます。
 ローテーションで研修医が来た時には、診察などをなるべく多く経験してもらい、いろいろな患者さんと関わってもらうようにしています。

 地域の開業医の先生方との交流も、もっと密なものにしていきたいですね。リウマチや膠原病が疑われる患者さんが最初に受診するのは、かかりつけ医の内科や整形外科の先生であることがほとんどです。徐々に連携がとれるようになってきましたが、佐賀大学には専門医がいることを、地域の開業医の方々にもっと知っていただく必要があると感じています。

—今後は。

 リウマチ・膠原病は、相対的に女性に多い病気です。中には、発症のピークが20代の病気もあり、治療を受けながら妊娠・出産を希望される患者さんもいます。そういった意味で、女性の医師にももっとリウマチ・膠原病に関心をもらえたらと思っています。

 この分野は特に2000年代に入って、免疫治療の急速な発展により新しい薬が次々に登場してきました。その進化の流れは今後も続くものと予想されます。研究分野としてはますます難しくなっていく可能性はありますが、それでも、非常に面白い分野です。私自身もその流れを追いかけていきたいと思います。

 また他の分野の先生と共同のカンファレンスや研究にも引き続き力を入れていきたいですね。われわれの科単独では難しいさまざまな臨床研究にも取り組んで、その成果を佐賀大学から発信していきたいと思います。

佐賀大学医学部膠原病・リウマチ内科 
佐賀市鍋島5−1−1 ☎0952−31−6511(代表)  
http://www.intmed.med.saga-u.ac.jp/kenkyuugroup/group/collagen/

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