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新病院を救命救急、人材育成の拠点に

新病院を救命救急、人材育成の拠点に


院長(きのした・よしかず)

1980年神戸大学医学部卒業。米メイヨー・クリニック留学、
島根大学医学部長、同大学医学部附属病院副院長などを経て、2020年から現職。
社会医療法人製鉄記念広畑病院長兼任。

 2022年、兵庫県姫路市の3次救急を担う「兵庫県立姫路循環器病センター」と「社会医療法人製鉄記念広畑病院」が統合し、新病院「兵庫県立はりま姫路総合医療センター(仮称)」として開院する。2施設の院長を兼任する木下芳一氏に、新病院で目指すことを聞いた。

─新病院設立の経緯は。

 姫路市では六つの規模の大きな病院が中心となって重症患者さんの救急対応をしていますが、残念ながら医療圏内で全ての患者さんを受け入れることはできていません。過去には救急車が搬送先を探す間に患者さんの容態が悪化してしまったケースもあり、中播磨は救急隊から受け入れ要請を4回以上行う頻度が他地域よりも多いとする調査結果もあります。

 そこで、姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院を統合し、「重症患者さんを断らない救命救急センター」を目指すことにしました。多くの診療科をそろえた大きな病院にすることで、救急をバックアップします。当医療圏では神経系、循環器系、外傷疾患の3領域で患者が増えると推計されています。神経系と循環器系の疾患は姫路循環器病センターに、外傷疾患については製鉄記念広畑病院に強みがあり、統合で今後増えていく3領域への対応が可能だと考えています。

─新病院の概要について。

 JR姫路駅から徒歩10分の敷地に建設中で、病院棟、放射線治療棟、教育研修棟などを備え、2021年11月に竣工予定です。病床数は736床です。

 現在、年間の救急搬送数は2施設で計約7000件。新病院では1日20件以上受け入れることになります。そのため、病院棟1階に救命救急センターと関連施設を配置し、救命救急治療がワンフロアで完結する設計にしました。屋上へリポートと直結する大型エレベーターも備えます。

 3階には手術室を16室設けますが、うち半分にはCTや血管造影装置、手術用ロボットが装備されていて、迅速に高難度の手術を行うことが可能です。

新病院の完成イメージ図

 736床もの病床を備えるので、中規模の大学病院に匹敵する医療を届けなければならないと考えています。新幹線が乗り入れる駅が近く、アクセスの良い場所に新病院を構えるからには、ここでしかできない医療が10や20はなくてはならないと考えます。新病院の医療を求めて新幹線で来てくれる患者さんが全体の数%はいてほしいですし、それが実現できなければ新病院事業は失敗だという強い覚悟を持って取り組んでいきます。


─今後、目指すものは。

 人材育成も救命救急体制の確立と並ぶ最重要課題です。姫路市内には医学部がないため、市内の高校生は他地域の医学部に進学し、卒業後も戻ってくる人は少ないように感じています。

 新病院の教育研修棟には、臨床研修・研究部門と神戸大学との連携大学院のほか、医療機器や医療材料の開発を行う兵庫県立大学の医産学連携拠点、獨協学園の医療系高等教育・研究機構が入ります。診療だけではなく、きちんと教育やトレーニングを行って高度専門医療を実践できる場にします。

 地域包括ケアの枠組みの中では、回復期や慢性期、訪問診療を行う病院やクリニックと連携を深めることが非常に重要だと考えています。書類や情報だけがウェブ上で行き来する状態では不十分だと思います。必要に応じて医師や看護師、技師らが各施設を行き来するのが本当の連携の姿で、その姿を目指します。

兵庫県立姫路循環器病センター
兵庫県姫路市西庄甲520
☎079─293─3131(代表)
http://www.hbhc.jp/

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