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新病院で目指す 「ワンストップ」と「継続性」

新病院で目指す 「ワンストップ」と「継続性」


千葉市中央区仁戸名町666―2 ☎043―264―5431(代表)
https://www.pref.chiba.lg.jp/gan/

 「がん」の制圧を目的に、開設されたのが1972年。2年後に50周年を迎える千葉県がんセンターの新病院が、2020年10月、開院する。飯笹俊彦病院長に、新病院の特徴と、目指す病院像を聞いた。

◎機能を集約動線を切り分ける

広々とした駐車場が確保される計画の新病院(イメージ)

 新病院建設のために策定されたコンセプト〝5つの柱〟は、「高齢化に伴う患者増・がん医療の集約化への対応」「高度かつ良質ながん医療の提供」「地域連携の充実・強化」「おもてなし(ホスピタリティー)病院の実現」「安定的な運営基盤の確立」。その実現のために造られたのが、鉄筋コンクリート造、地下1階、地上9階、塔屋1階建ての新たな建物(延べ床面積約4万9380平方メートル)だ。

 地下1階は、機械室や電気室などを置くサービス・機械ゾーン、1階から3階を検査・外来・手術などの診療ゾーンとし、4階に管理部門、5階から9階に病棟を配置。これまではなかった「患者総合支援センター」を1階エントランス付近に設け、受付、会計、地域連携室などを集約した。

 患者やその家族の移動に伴う負担軽減、さらには患者・来訪者や職員、モノの動線を切り分けることによる院内感染防止や職員の業務効率アップなどを、デザイン面から目指している。

◎増床で緩和ケア充実へ

 大きく変わることの一つが、病床数と手術室数。病床は、現在の341床から、最終的に450床に。増床分109床のうち、53床を最終的に緩和ケア病床とし、残りを各診療科に振り分ける予定だ。

 「国の方針で病院の増床は難しくなっていますが、当院は、もともとの病床数が、他県のがんセンターと比較して少なかったこと、緩和医療充実も増床の狙いの一つとしたことから、許可が下りたと受け止めています」と飯笹病院長。

 「この地域には緩和ケア病床の数が十分ではないという課題がありました。在宅でも入院でもいい。患者さんやご家族の実態や希望に合わせた選択肢があった方がいいと私たちは考えていますし、そのニーズに応えたいと思います」と緩和ケアへの思いを語る。

 同時に、従来7室だった手術室も11室に増室する。手術までの患者の待機期間短縮が見込まれ、これまで、他の病院に送らざるを得なかった患者も、受け入れられるようになる見通しだ。

◎医療機器も新規導入、更新

 手術支援ロボット「ダビンチ」は、5月に1台追加導入し、新病院開院を前に2台体制となった。同院の前立腺がん手術数(年間)は、国内5本の指に入る多さ。ロボット支援下手術の保険適用対象が拡大される中、泌尿器科以外でも手術支援ロボットを活用することが増えたことから、早いタイミングでの導入に踏み切った。

 「1台のロボットをフルに活用しようと考えて医師やメディカルスタッフに負担をかけるようでは、医療安全、働き方改革の流れに逆行します。高度で良質ながん医療を、継続的に提供するために必要な施策の一つと考えています」

◎関係を切らさない体制の構築を

目指す病院像を語った
病院長

 飯笹病院長が新病院開院を機に、同院の強みの一つとして掲げたいと考えているのが「継続性」。

 「検査から診断、治療、必要に応じて緩和や看取りまで、がんの患者さんの希望に合わせて一連で提供できるのが、がんセンターの良さ。在宅で過ごす時期があっても、必要な時に手を差し伸べられる、関係を切らさない体制をつくっていくことが、これからのがんセンターのテーマなのではないでしょうか」

 高齢患者の増加に伴い、併存疾患への対応もさらに重要になってくる。先進医療、人材育成の充実などの構想もある。「新しい病院になることを利用して、さまざまな面でステップアップしたい」。新病院の稼働は、もうすぐそこだ。

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