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新潟大学医歯学総合病院 病院長 冨田 善彦

新潟大学医歯学総合病院 病院長  冨田  善彦

 明けましておめでとうございます。2020年は新型コロナウイルスに振り回された1年でしたが、2021年はなるべく早くに落ち着くことを切に望んでおります。

 新潟では県と自治体、県内125の全病院の連携、感染拡大防止の努力もあり、関東甲信越の中では、比較的落ち着いた状況をなんとか維持していますが、人口当たりの医師数が全国最少クラスで、海岸線が3000㌔㍍にもおよぶ広大な県土なので、感染拡大が見られれば医療が逼迫(ひっぱく)することは明らかです。2021年も非常にデリケートな対応を継続する必要がありますが、通常医療を継続することも必要です。病院のコロナ対応や一般市民の方々の病院受診控えなどによる病院の収支状況の悪化は、設備投資のための資金繰りも困難にさせてきています。院内感染の発生を防止しつつ、また、コロナ感染患者に対する対応もしながら、できる限り、従来の医療サービスを低下させないことが必要とされており、まことに「言うは易し、行うは…」です。もっとも、明るい話題もなくはなく、ファイザーとビオンテックやモデルナのワクチンの効果はしっかりしたもののようです。

 一方、経済全体では、観光、運輸、外食産業はとても厳しいことになっておりますが、世界のマーケットは違った動きをしています。世界的な財政支出の増大と感染収束を見込み活発に投資する動きがあります。特に最近は企業の三つの非財務情報(環境=Environmental 、社会=Social、ガバナンス= Governance )を考慮したESG投資が強く意識されています。単に利益を上げるだけではだめで、環境に配慮し、社会的に貢献し、しっかりしたコンプライアンスを維持するガバナンス(企業統治)が確立していることが条件とされています。

 われわれ病院にとっても、これらを意識する時代となっているなと個人的に感じます。環境については、2020年拙稿に書きました持続可能な開発目標(SDGs)がありますし、社会との関わりとしては、 CSV(Creating Social Value)を考えるべきと思います。さらに、ガバナンスは特定機能病院として、しっかりした病院運営のシステムを持ち、運用することだと理解できます。

 新型コロナウイルス感染下であっても、社会(患者さん、家族、他医療機関、行政機関、会社等々)から頼りにされ、環境にも配慮しつつ、コンプライアンス上も財政上も透明性を持った健全運営ができる、そんな病院を目指していきたい、と思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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