新潟大学医歯学総合病院 病院長 冨田 善彦

You are currently viewing 新潟大学医歯学総合病院 病院長 冨田  善彦

 明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、健やかに新年をお迎えになられたこととお喜び申し上げます。

 新たな時代の幕開けとなった2019年は、令和となった後の8カ月間でも、実にさまざまなできごとがありました。

 まず、台風19号による信越、関東、東北の豪雨被害が挙げられます。被災された皆さまにおかれましては、いまだ、再建の途上と伺います。心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 2019年、米タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に、気候変動対策を訴える抗議活動が世界の若者に広がるきっかけを作ったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(17歳)が選ばれました。彼女の主張は論理的で、共感できることも多くあります。個人的には20年以上前、家族でスウェーデンに留学した経験があり、彼女のような活動家が出ても驚きませんでしたが…。

 私も60歳となり、物事を考えるときに、自分の任期(3年)や5〜10年先を考えるのが関の山で、20〜30年先となると、おろそかになりがちです。

 2015年の国連サミットで採択され「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までの国際目標、持続可能な開発目標(SDGs)は、わが国でも種々の産業界で意識されてきました。

 病院も、ゴール3「保健」はもちろん、5「ジェンダー」、6「水、衛生」9「イノベーション他」など、地球規模で貢献できる部分があると思いますし、そういった取り組みをしていきたいと思います。

 と、大きなことを書きましたが、目の前には病院のスタッフの処遇の適正化、働き方改革への対応がありますし、一方では人件費比率の増加と高額薬品、医療器材の費用増があり、これを放置すれば基礎収支の自然悪化により、たちまち運営危機に陥る状況にあります。

 また、地方の大学病院には、3次救急の使命があり、特定機能病院の機能を維持、発展させながら地域医療を支える診療応援の機能維持が要求されます。さらに、アカデミックとして新規医療技術開発や産学連携の使命も担わなければならないわけで、こう書きますと、軽いめまいを覚えます。

 しかし、2019年4月に病院長に就任し、9カ月間仕事をして感じたのは(手前味噌ですが)当院のスタッフは控えめ(奥ゆかしい)ですが、能力は素晴らしいものがあるということです。これまでに、さまざまな改善を行ってくれています。
 2020年も、新潟大学医歯学総合病院はさらに皆さまに頼りにされる、いろいろな意味で魅力的な病院を目指していきたいと思います、どうぞよろしくお願いいたします。

記事に関する感想・コメントはこちらから

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
名前