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新型コロナ WHOパンデミック表明

新型コロナ WHOパンデミック表明

 (COVID−19)感染が拡大し、WHOは3月11日、パンデミック(世界的大流行)と表明した。中国では状況改善が報告されているが、同10日現在、感染者は8万人、死者は3000人を超えた。一方、それ以外の世界では109の国・地域で感染者3万3000人に迫る。日本では感染者513人、死者9人(他にクルーズ船は感染者696人、死者7人)となっている。医療現場に緊張が続き、影響は社会全体に及んでいる。世界、国を挙げての封じ込めができるのか。

最前線ドキュメント 医療法人社団以仁会 稲毛サティクリニック

 全国の病院・診療所は厳しい診療を続けている。

 千葉市稲毛区小仲台、医療法人社団以仁会「稲毛サティクリニック」も1月下旬から、連日100人を超える感染を心配する患者が殺到し、長期戦が続く。河内文雄理事長(呼吸器内科)は診療の傍ら、SNSで社会に状況を発信する。

要注意患者殺到 院内に緊張走る

〈1月31日〉JR駅前のビル4階にある院内に2回、緊張が走った。2週間以上せきが続く36歳の中国人、年末年始を中国湖南省で過ごし発熱後にひどいせきが続く中国人の5歳児が受診した。レントゲン撮影で肺炎像はなかったが「このまま感染が拡大すれば、一定の確率で陽性者が受診することになる」。

稲毛サティクリニックの待合室

〈2月2日〉院内では換気のために出入り口を開放し、点滴スペースは要注意患者の待機場所に指定。一般患者と重ならない動線を確保し、レントゲン室まで導くことで対応。防護服は一枚もなく、消毒用アルコールと同様、発注しても手に入らない。マスクも不足。外来の最中に、マスクを売ってくれと、食い下がる外国人たちで、診療が妨げられる。

保健所にPCR要請も拒否

〈2月3日〉成田空港電気工事従事者の男性が受診した。1月29日からの通常肺炎治療に反応せず、陰影は徐々に拡大し、対側にも影が出始めた。受診時の酸素飽和度は93%まで低下した。観光客と接触する機会はなく、中国人の知り合いもいない。「これが新型肺炎であれば、すれ違う程度で感染した可能性があり、急速に広がっていく恐れがある」と判断。保健所に連絡して、PCR確定診断の必要性を訴えたが、武漢からの中国人と接触していないからと拒まれた。ハイリスクな症例を調べない対応に不信が募る。

相談センター経由は1人 90人は直接来院

〈2月19日〉午前中だけで95人が受診した。ほとんどが持続する発熱と呼吸器症状で、感染を心配して来院した。帰国者・接触者相談センターに電話し受診した患者は1人だけで、症状経過とレントゲンの肺炎像から、保健所経由で入院した。ほかは不安に駆られて直接来院した。「こんな状況が続けば、最前線の医療機関はどこもパンクする」


〈2月21日〉134人が受診した。タイ旅行から帰国後、高熱と激しいせきが続き相談センター経由で来院した28歳男性、2月4日~11日にシンガポールに滞在し3日前から続く発熱と呼吸器症状で受診した11歳男児、1月19日から続くたんの絡むせきと高熱で受診した48歳女性らには、PCR確定診断ができないので、厳重な自宅隔離と電話経過報告を指示して帰宅させた。肺炎チェックのため、19人をレントゲン撮影した。感染防御態勢はマスクも防護服も手袋もそれなりに揃い、かなり強固になった。

院内感染を防ぐ手立てなし 民間検査会社でPCRを

〈2月24日〉社会不安の嵐が脅威だ。同院にも不安感から大勢の非感染者が殺到している。「感染機会を増大させ、医療機関が同時多発的にホットスポットになる。当院ではすでに予兆が出始めている」「医療機関での院内感染を100%防ぐ手立てはない」

〈3月7日〉「この時期、外来で肺炎に遭遇すると緊張する。PCRで白黒つけてもらいたい」。肺炎患者を4人診た。

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