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新たなる治療法やメカニズムの解明に挑む

新たなる治療法やメカニズムの解明に挑む

大阪市立大学大学院 医学研究科 皮膚病態学
教授(つるた・だいすけ)

1992年大阪市立大学医学部卒業。
米ノースウェスタン大学細胞分子生物学教室留学、久留米大学などを経て、2013年から現職。
大阪市立大学特命副学長、同国際センター所長兼任。

 水疱症など難治性皮膚疾患の治療とメカニズム解明などの研究に取り組む大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学。講座の特徴や教育、最新の治療や研究などについて、鶴田大輔教授に話を聞いた。

―講座の特徴は。

 都心にあり、アクセスも良い大阪市立大学医学部附属病院には、関西に限らずいろいろな地域から患者さんがお見えになります。臨床においては、重症の薬疹、点滴治療を要する全身性皮膚疾患、新型の注射薬の投与を必要とするアレルギー疾患のアトピーやじんましん、手術が必要となる皮膚の悪性腫瘍など、さまざまな疾患に対して治療を行っています。

 研究では、私の専門である水疱症の研究の他、菅原弘二准教授は、脱毛症などの治療に役立つ免疫臓器としての毛髪に着目した研究を、小澤俊幸准教授は、皮膚の感染症の治療に効果的な光線力学療法についての研究を進めています。さらに、大阪大学教授だった片山一朗先生を特任教授に迎えて、花王と共同で行っている白斑の研究があり、これらが現在大きな柱となっています。

―教育について。

 日本医学教育評価機構からの評価を受けたことにより、これまでの講義中心から実習中心へ、世界的な教育の動向を見ながらカリキュラムの改編に取り組んでいるところです。特に求められているコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を高める実習を構築しつつあります。

 指導には、2年目や3年目の医局員も当たる〝屋根瓦方式〟を導入。次代を担う良き医療人を育成していきます。

 また、医局員の半数以上が女性医師です。これからの時代に女性医師の活躍は必要不可欠となるでしょう。出産や育児で休んでも、治療や研究面でカバーできるようにチーム制を取り入れています。

 大学病院という特性上、生命を脅かす疾患に当たる悪性腫瘍、水疱症、重症薬疹、感染症などの疾患を多く扱います。さらには、患者数で言えば圧倒的に多い、生活を変調させるアレルギーや脱毛症に対する治療も重要です。それらの疾患を正しく診断し、治療できる皮膚科医を育てることが使命の一つだと思っています。

―水疱症の治療・研究は。

 皮膚は、生体を外界から守る最前線にある臓器と言われており、私が専門としている水疱症は皮膚疾患の中でも命に関わる病気です。

 だからこそ患者さんには危険を伴ってでも多量のステロイド剤を服用してもらい、その副作用に対処しながら治療を続けなければなりません。高齢者に多い疾患のため、高血圧や骨粗しょう症など加齢に伴う症状の他、神経疾患との合併症にも注意を払う必要があります。

 しかも、ガイドライン通りでは治らない患者さんもいます。時にはステロイド剤の副作用で精神的な変調を来す場合もあります。一概に副作用と思い込まず、合併症や他の病気の可能性も考える必要があります。

 飲み薬や注射以外に皮膚科での最も重要な治療として、塗り薬があります。しかしながらこの「塗る」という治療法が患者さんの大きな負担になっていることを私たち皮膚科医は忘れてはいけません。大切なのは患者さんの声に耳を傾け、真摯(しんし)に向き合うことだと思います。

 研究の分野では、以前、久留米大学でお世話になっていた橋本隆先生が定年されたことを機に特任教授としてお招きし、留学から帰国する教室員と共に私が長年研究している自己免疫性水疱症の一つ「水疱性類天疱瘡」のメカニズム解明のさらなる発展を目指しています。分かっていないことがいまだに多い疾患です。未知なる部分を解明し、ゆくゆくは病気の発症を抑える治療薬を開発できればと思います。

大阪市立大学大学院 医学研究科皮膚病態学
大阪市阿倍野区旭町1―5―7
☎06―6645―2121(代表)
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/Derma/

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