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整形外科を柱に展開 シームレスな医療・介護を

整形外科を柱に展開 シームレスな医療・介護を

独立行政法人地域医療機能推進機構  渡部 昌平 院長(わたなべ・しょうへい)
1982年秋田大学医学部卒業。米メイヨー・クリニック(文部科学省長期在外研究員)、
愛媛大学大学院医学系研究科准教授などを経て、2014年から現職。

 約11万4000人を擁する宇和島医療圏。独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)宇和島病院は地域医療、地域包括ケアの要としての役割を担う。脊椎、人工関節などを中心に、整形外科手術は年間約900例。、リハビリテーション科の専門医として在宅復帰を支援する渡部昌平院長が目指すのは、シームレスな医療体制だ。

―宇和島市には公立、民間と病院が複数ありますが。

 急性期、回復期、慢性期などと、それぞれの病院の特徴を生かして、お互いにうまくすみ分けをしながら地域での役割を果たしていると思います。病院に隣接して附属の介護老人保健施設などもありますので、予防医学をはじめ、急性期、回復期、そして在宅と、医療や介護サービスをシームレスに提供したいと考えています。

 当院の特徴の一つは整形外科分野です。高齢者の増加に伴って症例数は増加傾向にあり、脊椎、人工関節などを中心に、年間およそ900例の手術を実施しています。整形外科の常勤医は、私も含めて5人。充実した医療を提供できていると思います。患者さんは宇和島市以外、例えば高知県など遠方からもお越しになっています。広く地域の開業医の先生方との連携が構築できている結果ではないかと考えています。


―リハビリにも注力。

 私自身もリハビリテーション医学会専門医を取得しており、現在、専門医は2人体制です。リハビリのスタッフは理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)がそろっており、総勢50人近くです。在宅復帰後の患者さんを対象に訪問リハビリを実施しています。

 また、院内に室内プールが完成した2002年からはリハビリに活用しています。指導の中心はPTが担っています。プールでのリハビリは脳卒中など、脳血管疾患後の患者さんを中心に取り入れるようにしています。当院では、主に入院患者さんが活用しています。

 水中では泳ぐというよりも、歩いたり手を動かしたりといった訓練を重視しています。集団での運動といったこともできます。通常では歩行ができない人も、水中では水の浮力の効果で体に負担なく歩くこともできますので、治療効果も少なくありません。プールでリハビリに励む患者さんの楽しそうな様子を見ると、精神的にも効果があると感じます。


―地域の課題は。

 医師不足です。地域の医療機関はどこも厳しい状況にありますから、地域連携が不可欠です。

 そこで、特に整形外科医が不足している宇和島市内の医療機関に週1回、診療支援として当院の医師を派遣しています。当院の整形外科が高い専門性を保ち、手術実績を維持し続けることが、地域に医師を呼び込むことにつながると考えています。当院の運営にも貢献するでしょう。

 また、JCHO独自の研修プログラムもあり、それを希望する方もいます。これによって、2年ほど前から、JCHO本部からの派遣も受け入れられるようになりました。最近ではグループの方針で医師だけではなく、病院の活性化を狙って、病院間の職員の異動を積極的に実施しています。各部門のトップは、大体1回は別の病院での勤務を経験し、そこで実績を重ねます。外で経験を積んだ人が着任すると、さまざまな面で組織にいい刺激を与えると感じています。

 また、患者さんや地域で活動する人にお越しいただいて意見を伺う場を設ける「地域協議会」を年に2回ほど開いています。参加者の方の提案を病院として採用したこともあります。患者さんの声が直接聞けるまたとない貴重なチャンスでもあります。


独立行政法人地域医療機能推進機構 宇和島病院
愛媛県宇和島市賀古町2―1―37
☎0985―22―5616(代表)
https://uwajima.jcho.go.jp/

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