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救急医療を軸に患者の期待に応えたい

救急医療を軸に患者の期待に応えたい

香川県立中央病院 河内 正光 院長(かわうち・まさみつ)
1981年岡山大学医学部卒業。香川医科大学(現:香川大学医学部)、
英ロンドン大学クイーン・スクエア国立病院、岡山大学病院、
香川県立中央病院脳神経外科主任部長などを経て、2019年から現職。

 長年、脳神経外科を専門とし、特に重篤な救急患者への対応に力を注いできた河内正光氏が、今年4月、香川県立中央病院の新院長に就任した。今後どのような病院づくりを目指すのか、自身のこれまでの経験や求められていることなどについて話を聞いた。

救急医療の最前線を知る医師として

 脳神経外科の主任部長や副院長などを経て、赴任から20年目にあたる今春、院長に就任。医師としてのキャリアの多くを、香川県立中央病院と共に歩んできた。

 「私が専門としてきた脳神経外科は、救急患者が多いのが特徴。頭部外傷や脳卒中など、重症患者を多く診てきました。自分自身、長年救急に携わってきたこともあり、救急患者さんをどう扱うかという目線で、病院の在り方を考えてきたところがあります。今年の4月からは受け入れを断らない方針を打ち出し、一層救急医療の充実に向けて動き出しています」

 断らない救急医療の実現には、機能の枠を広げる必要がある。必須となったのが、HCU(ハイケアユニット)の開設だった。

 看護師不足の影響で少々遅れていたが、昨年10月にようやく開設にこぎつけた。加えて救急医療の充実は、地域のニーズへの対応という意味と同時に、DPC対象病院としての診療報酬改定への対応という病院経営上の意味も持つ。

 「中規模以上の公立病院においては、救急を考えることなしに、病院経営は成り立たない仕組みになっています。救急医療に携わってきた自分が、3次救急医療を担う病院を任されたのは、必然のように感じますね」

「患者さんのための医療」であり続けること

 そんな河内院長が医療の原点として掲げるのは、「患者さんのための医療」という方針だ。

 「医者として当たり前のことですが、患者さんのための医療という視点を忘れてはいけません。医師としてのスキルアップを考えることも大切ですが、まずは患者さんこそ優先すべき。忙しさのなかで、特にその意識が抜け落ちないようにしなければなりません」

 河内院長が患者のための医療を掲げる背景には、脳腫瘍の患者、その家族との出会いがあった。

 「予後が悪い脳腫瘍の患者さんでした。手を尽くしたものの悪化が進み、予想以上に早く亡くなられました」。ご家族は辛いだろうと思っていたところ、思いがけず脳神経外科に寄付の申し出があったという。

 「現場では必ずしも治癒や回復といった結果が得られるとは限りませんが、どんな時も患者さんのための医療であり続けることは、忘れてはいけないのだと思います」

愚直にコツコツ努力をすること

 香川県立中央病院は、がん治療をはじめとした先進医療の拠点病院としての役割も担っている。積極的にさまざまな技術を取り入れ、ダビンチを用いたロボット手術、TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)、カテーテルアブレーション、ノバリスTxなどの治療・診断の実績も積み重ねている。今後は標準治療後のテーラーメード医療などを見据えて、ゲノム医療にも対応していく予定だ。

 さらに、今後忘れてはならないのが地域医療支援病院としての側面だ。

 「地域医療構想を受けて、地域の各病院との連携強化を欠かすことはできない。お互いの強みを生かしながら各病院との連携を深めていきます。また今後、地方の公立病院は、働き方改革や新専門医制度などの影響を強く受けることが予想されます。病床の調整などが進められていく中、社会的な動きも注視しながら、必要とされる地方の公立病院としての在り方を実現させていきたいと思います」

香川県立中央病院
高松市朝日町1-2-1 ☎087-811-3333(代表)
http://www.chp-kagawa.jp/

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