九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

救命救急 小児医療 災害医療のさらなる充実を

救命救急 小児医療 災害医療のさらなる充実を

地方独立行政法人北九州市立病院機構
北九州市八幡東区尾倉2―6―2 ☎093―662―6565(代表)
https://www.kitakyu-cho.jp/yahata/

 これまで北九州市八幡東区を中心とする地域の救急医療を支え、市民に貢献してきた北九州市立八幡病院が、2018年12月に新築移転。2019年4月から地方独立行政法人北九州市立病院機構に移行した。これを機に、さらに信頼される病院となるための新たな機能とは、どのようなものか。

◎救急、小児、災害をさらに強化

5階小児病棟の中央に設けた憩いの広場

 新病院では、①救命救急②小児救急③災害医療の三つを政策医療に掲げ、総合的な診療体制の維持に努めている。

 「市立病院として、地域医療のニーズに応えられる施設を完成することができました。今後は、もう一度受診したいと思っていただけるような、心が和む、信頼される病院運営を目指します」と、伊藤重彦院長。

 新しい病院の建物は、免震構造で地上7階建て。病床数は312床。延べ床面積は以前の約1・2倍、敷地面積は約2倍もの広さになったという。

 屋上にはヘリポートを新設。海上保安庁の大型ヘリの離着陸が可能で荷重10㌧にも耐える設計だ。海難事故や山林事故における医療スタッフの派遣、およびヘリ搬送傷病者の受け入れ拠点として期待されている。

 また、病院敷地内には北九州市消防局の常設型救急ワークステーションも設置されている。新病院の1階は、分散していた救急関連部門を集約し、効率のよい動線を確保した。

 さらには、多発外傷にも対応可能なCT検査装置とバイプレーン機能搭載の血管造影装置、手術台が1カ所にそろうハイブリッドオペレーションルームを導入。これにより、実際の処置にかかる時間が数十分から1時間程度に短縮でき、多発外傷患者などのより迅速な救命が可能となる。

 災害時の医療活動スペースの確保には各階、駐車場も含め十分に配慮した。応急処置に必要な医療ガスの配管は一般病棟を含め、エントランスホールや会議室、図書館にも設置。2階の一般外来にある待合用のソファは、背もたれを倒すと心臓マッサージ対応のベッドに早変わりする。

◎「DMOC」による災害対策への期待

 災害が多発する昨今、災害医療の対策は急務である。東日本大震災直後の2011年11月に設置された、災害医療研修センター(DMEC)は、「災害医療作戦指令センター」(DMOC)としての機能も保持しており、地域において重要な役目を担っている。

 DMOCは北九州市地域防災計画及び北九州市医師会医療救護計画に基づき災害発生時に設置され、これにより行政機関、医師会、薬剤師会などから寄せられる被災者情報を一元管理することができるようになり、人的・物的医療資源の的確な投入につながっていく。

 「DMOCには、医師会をはじめ、保健福祉局、消防局、薬剤師会、看護協会、JMAT(日本医師会災害医療チーム)なども集まります。物品の調達、避難所開設なども指示することになっており、このシステムを全国に広げていけたらと思っています」

◎「小児救急・小児総合医療センター」を設置

伊藤重彦院長

 新病院の「小児救急・小児総合医療センター」は、30人以上の小児科医がそろう充実した診療体制を誇る。24時間入退院可能な84床の小児救急病棟と8床の小児集中治療室(PICU)を有し、年間5万人以上の外来患者に対応している。

 5階の小児病棟中央部分には、入院している子どもたちのために、青空が見える憩いの広場やファミリールームも設けた。「小児救急・小児医療総合センターという名前に変わったことで、小児がんを含め小児医療をトータルで診るようになりました。被ばく量を抑えるCTを導入するなど、最新の設備と開かれた医療を実践していきます」

 地域医療、災害医療に欠かせない病院として、さらなる期待が寄せられている。

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

メニューを閉じる