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攻めの姿勢で医療現場にパラダイムシフトを起こす

攻めの姿勢で医療現場にパラダイムシフトを起こす

 山本 修一 (やまもと・しゅういち)
1983年千葉大学医学部卒業。
東邦大学眼科教授、千葉大学大学院医学研究院眼科学教授、
同大学医学部附属病院副病院長などを経て、2014年より現職。


 千葉大学医学部附属病院は、千葉県唯一の特定機能病院として大学病院でしかできない最先端医療の提供で、地域における役割を担っている。現在、新中央診療棟を建築中で、2021年にはオープンの予定だ。

―病院の役割について。

 当院は、1874年、地域の有志の方々の拠金によって共立病院が設立されたのが始まりです。その後、いくつかの名称を経て現在の千葉大学医学部附属病院となるわけですが、いつの時代も、設立の原点であった〝地域のための医療〟を忘れることはありません。

 当医療圏には多くの急性期病院があります。それらの病院とうまく機能分化し連携しながら、地域医療を進めていきたいと考えています。その中で、当院の役割は、大学病院でなければできない最先端医療の提供であると認識しています。最先端医療という点では、研究分野にも重点を置いています。そして、その研究成果を「千葉から世界に発信する」ことが、使命でもあります。

 当院がモットーとする地域に根差した医療、そして最先端医療の研究・発信を遂行するには、施設や機能の老朽化が問題でした。そこで、2007年の新病棟(ひがし棟)の建設を皮切りに、既存の診療棟の改修、新外来診療棟の建設などを進めてきました。

 2021年の1月には、新中央診療棟がオープンする予定です。新中央診療棟の1階には救命救急センターが入り、全県対応で3次医療を超えた救命救急をめざしています。4階の手術室は17室から20床に増床し、ハイブリッド手術室と日帰り手術センターを設置します。そのほかにも、放射線治療機器を増設して、放射線治療の充実を図ります。

 当院はがん診療を得意分野の一つとしており、がんゲノム医療にも積極的に取り組んでいます。近年主流となりつつあるがん外来治療の体制を整え、地域がん診療連携拠点病院としての役割を担います。すでにオープンしている外来診療棟などについては、患者さんから、外装の新しさだけでなく「スタッフの対応がとても親切になった」という声をいただいています。設計の当初から重視していたゆとりのある空間は、スタッフの業務に余裕をもたらし、それが患者さんにも好影響を与えていると思います。


現在の取り組みは。

 当院は、2017年、臨床研究中核病院に承認されました。臨床研究開発推進センターでは、新規臨床研究の立ち上げを支援・推進しています。そのほかにも、メドテック・リンクセンターでは、工学研究者や企業のエンジニアを院内に招き入れ、医療の現場から医療機器の開発に取り組んでいます。

 近年の病院経営を取り巻く厳しい現状から、医療の特殊性を理解した経営マインドを持った人材を育てることも重要です。そこで「ちば医経塾」を立ち上げ、病院経営スペシャリストの養成を行っています。受講生は医療従事者、病院事務職員、行政職員など。将来的には、履修者の全国ネットワークを築き、医療の活性化に役立ててほしいと願っています。

 これからの大学病院は、収益力を高めるための企画力が求められます。それには、異なる発想を持った大学外部の人材との協力が不可欠です。それが可能なのが大学病院であり、新しいものを創り出すことこそ大学病院でしかできないことだと自負しています。

 地域医療においても、他施設との連携強化こそが収益力アップにつながり、大学病院に求められている高度先進医療のリソースの投入にもつながります。さまざまな面で厳しい状況ではありますが、だからこそ医療現場にパラダイムシフトを起こすため、攻めの姿勢で取り組んでいくつもりです。


千葉大学医学部附属病院
千葉市中央区亥鼻1―8―1
☎043―222―7171(代表)
https://www.ho.chiba-u.ac.jp/

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