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持続可能な未来の地域医療を 使命を胸に、変革に挑む

持続可能な未来の地域医療を 使命を胸に、変革に挑む

社会医療法人宏潤会 大同病院
理事長(うの・ゆうすけ)
1991年金沢大学医学部卒業。同第一外科、名古屋大学医学部附属病院腫瘍外科、
中部ろうさい病院外科、2007年社会医療法人宏潤会大同病院入職、
同外科部長、同副院長などを経て、2018年から現職。

 2019年9月に開設80周年を迎えた「」。宇野雄祐理事長に現状と今後の方向性を聞いた。

―理事長になられて1年半が過ぎました。

 医療・介護を取り巻く環境は、大きく変わろうとしています。特に2018年以降は、医師の働き方改革の方向性が示され、地域医療構想の実現も〝待ったなし〟の状況となっています。

 私は就任後、急性期医療の高度化と、地域の包括ケアマネジメントを周囲の医療・介護施設と連携して整えていくという姿勢を改めて強化しました。

 さらに職員には、患者さんに寄り添い、医療人として「その人の誕生前から最期まで、医療・ケアと安心を提供する」というミッションステートメントを提示しました。

 この2年間の中期計画の重点課題には、①高度急性期医療の追求②地域包括ケアネットワークの確立③健康延伸のための予防医療を掲げ、これらを効率的に進めるための基盤強化にも力を入れています。

 高度急性期医療は、人口減少に伴い需要減も予想されますが、命を救う医療として、欠かせない使命です。併せてがん診療や小児医療、救急医療なども、より充実を図ります。

 地域包括ケアについては、当法人は早くから、予防も含めた包括医療の提供を大切にしてきました。すでに介護老人保健施設、訪問看護ステーションなどを展開。今後、患者さんとご家族、地域の医療・介護・福祉機関との連携を一層深め、消防など行政も含めて皆さまが何にお困りなのかしっかりと伺い、強固なネットワークを築きます。

 高齢化が進む一方で現役世代が減る2040年問題の中で、国も健康寿命の延伸を取り上げています。当法人では、健診センターの役割を強化。「要精密検査」や、「経過観察」の方の病気を予防できることが、重要なポイントになると考え、健診後のフォローにも尽力しています。

 救急医療では、各診療科の機能強化を図り、救急医を新たに招くなどしています。小児医療でも、新たに社会福祉法人を設立した上で、重症心身障がい児者の施設を2022年秋に開設することが決まりました。

―2019年4月には「地域周産期母子医療センター」に認定されました。

 当法人が認定されたことで、愛知県内の同センターは13カ所になりました。当法人の医療圏は南区と緑区の西部、東海市の北側です。

 当法人の医療圏は、名古屋市で最も高齢化が進んでいる地域がある一方で、比較的お産が多い地域でもあります。当院は長年、小児医療に注力してきました。

 高血圧や肥満、筋腫などの危険因子がある、または多胎妊娠、胎児異常などで緊急かつ高度な医療が必要な妊婦の方は、医療圏を越えて来院されます。

 今回、リスクの高い妊娠や重篤なケースも受け入れ可能な病院として認定され、愛知県内の広いエリアでその存在感が増し、責任も重くなったと認識しています。

―今後の抱負は。

 当法人が大切にしている価値観に「おもてなしの心」があります。患者さんの心に思いをめぐらせ、不安を解消して、行く先をあたたかく照らすことをイメージしています。

 それを実現・深化させるために、デジタル化やⅠT化を考えています。例えば、各診療科や地域の各施設・機関間で、より深く情報を共有できるシステムを構築し、診療情報を確認し合えるということだけでなく、患者さんの不安の真因を見つけ出し、一人ひとりの異なる価値観に応えられる医療を提供することを目指しています。

 ハードルが高い目標ですが、新しい仕組みづくりに挑戦し、持続可能な未来の地域医療構築に貢献したいと取り組んでいます。


社会医療法人宏潤会 大同病院
名古屋市南区白水町9
☎052―611―6261(代表)
https://daidohp.or.jp/

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